株式新聞・24年相場アンケート(2)ドル・円と日米金融政策いかに?

 株式市場に大きな影響を与える為替の動向や、日米の金融当局の政策にも注目が集まる。アンケートでは、2024年のドル・円の水準と日銀のマイナス金利政策の解除時期、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ開始時期、米政策金利(FF<フェデラル・ファンド>レート)の年末水準を聞いた。

年末1ドル=130円最多、一部は円安予想も

為替・金利

 ドル・円は現状の1ドル=141円台に対し、24年は平均値を135円とする回答が約2割弱の7人と最も多く、135~139円のレンジは計13人とさらなる円高進行を見込む。FRBの利下げ転換が予想される一方、日銀が世界に遅れて金融緩和策の出口に向かうことで、日米の金利差が縮小するという読みが背景にある。

 年末時点については9人の130円が筆頭となり、レンジでは135~139円が計11人と最多。次いで130~134円が計10人だった。ドル・円の最低値は年平均が130円、年末が120円。なお、日銀短観(23年12月調査)では、23年度の輸出企業(大企業・製造業)の事業計画の前提レートは平均138.6円となっており、来期は為替が収益の下押し要因になる可能性がある。

 一方で、円安定着や一段のドル高を予想する向きもいる。ドル・円の年平均を145~149円とする回答が計3人、150~154人が計4人となった(最高値は153.5円)。時価を含む140~144円は13人。年末時点は150円以上が計6人で、中には170円とみる「超円安派」もいる。

日銀マイナス金利解除は4月優勢、米利下げ6月開始へ

 日銀のマイナス金利の解除時期は、5割に迫る18人が集中したのが4月だ。植田総裁は金融政策変更について、賃上げの継続を重要視しているため、春闘の結果が分かった直後の同月の政策決定会合を「Xデー」として意識している。次いで「24年春」も6人と多かった。半面、24年中には利上げはないとする回答も複数あった。

 米国については、FRBの利下げ開始を6月と予想する見方が最多の12人となり、続いて3月の早期利下げを視野に入れる回答が5人となった。24年に利下げできないシナリオを描く向きは1人にとどまった。また、年末のFFレート(現在は5.25~5.50%)は4.5(~4.75%)%が12人、4.25(~4.5)%が11人ときっ抗している。利下げ回数にして3~4回に相当する。

※画像クリックでグラフ拡大

(写真:123RF)

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ