FOMC議事録、早期利下げに慎重な姿勢―年内利下げは適切との考え

経済

2024/1/4 9:02

<チェックポイント>

●予想より長期に政策金利維持の可能性

●利上げが必要になる可能性も否定せず

●市場、バランスシート縮小は8-9カ月後にいったん終了と予想

 FRB(米連邦準備制度理事会)は3日に公表した、23年12月12-13日開催分のFOMC(公開市場委員会)議事録で、今後の政策金利の水準について、「複数の委員が予想よりも長期間にわたって政策金利を維持することが正当化される可能性がある」とし、早期の利下げに慎重であることが分かった。

 ほぼすべての委員が「24年末までに政策金利を引き下げることが適切」と考えており、年内利下げの可能性を示したが、一方で、「利上げが適切となるような形で経済が進展する可能性がある」とし、必ずしも利上げ再開の可能性を排除していないことも明らかになった。

 議事録では、多くの委員が「慎重かつデータに依存したアプローチを維持することの重要性を強調、インフレ率が物価目標に向かって明らかに持続的に低下するまで、政策はしばらく抑制的スタンスを維持することが適切であることを再確認した」としている。

 利下げの必要性については、「制限的な金融政策スタンスをどれくらいの期間維持する必要があるかについての不確実性を強調、過度な制限的なスタンスに伴う景気下ブレリスクを指摘した」とし、ある程度の金融緩和の必要性を指摘している。

 このほかでは、FRBが保有する国債などのバランスシートの縮小について、「複数の委員が満期を迎えた保有国債などのランオフ(満期償還金による再投資(買いオペ)の減額または停止)のペースを遅らせる決定を下す前に、そのことについて議論を始める時期が来た」としている。

 FRBは量的金融緩和(QE)で膨らんだバランスシートの減額開始を進めており、現在は約7兆7000億ドルとなっている。現在、国債の毎月の減額上限を600億ドル、エージェンシー(政府機関ジニーメイと政府系住宅金融会社)MBSの毎月の減額上限を350億ドルとし、1-2回分の利上げに相当するとみられている。

 市場では、FRBがバランスシートを6兆2000億ドル程度にまで減額するとみており、月950億ドルの減額ペースだと、今後8-9カ月で減額を終了させると予想している。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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