【為替本日の注目点】ユーロ円160円に迫る

為替

サーチナ

2024/1/11 10:12

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は再び145円台を回復。NY連銀総裁のタカ派的な発言もあり、145円83銭までドル高が進む。ユーロドルは小幅に続伸。ECB理事会メンバーの利下げをけん制する発言に1.0973まで上昇。ユーロは対円でもおよそ1カ月半ぶりの高値を付ける。株式市場は3指数が上昇。ハイテク株が上昇し、S&P500は26ポイント高。ナスダックも111ポイント買われ、1万5000ポイントが再び視野に。債券は反落。長期金利は4.02%台に上昇。ドル高が進んだことで金は4日続落。原油は反落。

マーケット情報

ドル/円 145.15 ~ 145.83

ユーロ/ドル 1.0932 ~ 1.0973

ユーロ/円 158.88 ~ 159.92

NYダウ +170.57 → 37,695.73ドル

GOLD -5.20 → 2,027.80ドル

WTI -0.87 → 71.37ドル

米10年国債 +0.015 → 4.028%

本日の注目イベント

豪 豪11月貿易収支

日 1月日銀地域経済報告(さくらリポート)

日 11月景気先行指数(CI)(速報値)

日 11月景気一致指数(CI)(速報値)

欧 ECB経済報告

米 新規失業保険申請件数

米 12月消費者物価指数

米 12月財政収支

米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演

 ドル円は欧州市場の朝方には売られる場面もありましたが、NY市場にかけては上昇に転じ、NYの昼ごろには145円83銭までドル高が進みました。ただ、それでも先週末の雇用統計発表直後に記録された145円98銭を上回ることはありませんでしたが、今年に入ってドル円は底堅い動きが続いています。昨日の海外市場ではユーロ円が買われるなど、クロス円からの円売りの影響もあったようです。FRBと日銀の金融政策の今後の方向性を想定すれば、ドルが売られてもおかしくはない中、昨日は今夜発表の米12月の消費者物価指数(CPI)の結果を見極める雰囲気もありました。今月22-23日には日銀金融政策決定会合があり、30-31日にはFOMCが控えています。今回はどちらも政策変更はないと見られていますが、金融当局トップの発言には注目が集まりそうです。

 NY連銀のウイリアムズ総裁は10日の講演で、「現在の金融政策の景気抑制的スタンスがバランス回復を継続させ、インフレ率を2%の長期目標に戻すというのが私の基本的な考え方だ」と説明し、さらに「金融当局の目標を完全に達成するにはしばらくの間、景気抑制的なスタンスを維持する必要があるだろう。インフレ率が持続的に2%に向うと確信したときにのみ、抑制の程度を緩めることが適切となる」と、これまでの認識と同じくタカ派的な発言を行いました。

 昨日は日経平均株価がザラ場では700円を超える上昇を見せ、引け値でも678円高と、連日でバブル崩壊後の高値を更新しました。株式は基本的には「リスク資産」で、株価の上昇はリスクオンの流れが強まったとして、円売り材料になり易い傾向があります。今後もさらに株高が続くようなら「円安材料」として意識される局面もあるかもしれません。日経平均は本日も高値を更新しそうな気配です。東京証券取引所が10日に発表したデータによると、昨年1年間に海外投資家は3兆1215億円もの日本株を買い越したようで、規模としては2013年以来の大きさということです。「海外投資家と日本企業の変化が歴史的な株高を生んでいる。両者の買い越し額は8兆円を超え、日経平均株価を33年ぶりの高値圏に押し上げた」(日経新聞)と評価されていますが、強気の株式市場関係者からは「今年中に、過去の最高値である3万8915円を越える」といった声も聞こえてきました。

 本日の米CPIは総合で「3.2%」、コア指数で「3.8%」(いずれも前年同月比)と見込まれています。予想レンジは144円50銭~146円50銭といったところでしょうか。上記予想の高値を試すようなら、ドル円は145-150円のレンジに入ったか、もしくは145円を中心にもみ合う可能性が出てきそうです。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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