(再送)<新興国eye>前週のブラジル株、米利下げ遅延懸念やペトロブラス首脳人事を受け続落=BRICs市況

新興国

2024/4/15 8:58

 前週(8-12日)のブラジル株式市場は12日のボベスパ指数が前日比1.14%安の12万5946.09、週間ベースでも5日終値比0.67%安となり、続落した。

 週明け8日は指数が上昇。翌9日も続伸した。10日は急落、11日も続落した。

 週前半は、鉱山大手ヴァーレが中国・大連やシンガポールの商品取引所で鉄鉱石相場が上昇したのを受け、急騰、上げを主導した。その後も、鉄鉱石相場の2日連続の急騰を受け、買いが優勢となった。世界最大の鉄鉱石消費国である中国での需要の増加により、2日間で鉄鉱石相場が約8%急騰している。

 週後半は、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ開始を占う意味で重要な指標となっている米3月CPI(消費者物価指数)が予想を上回る高い伸びとなったことや、公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録でも金融引き締めが長期化する見通しが示されたことを受け、6月利下げ開始の可能性が消え、遅延する見通しが強まり、売りが優勢となった。

 その後は、米3月PPI(生産者物価指数)も前日発表の3月CPIと同様、予想を上回る高いの伸びとなったことを受け、米利下げ遅延懸念が強まり、売りが優勢となった。また、ブラジル中央電力(エレトロブラス)が急落、指数の構成ウエートが高いヴァーレと国営石油大手ペトロブラスも冴えず、下げをけん引。ただ、ただ、2月小売売上高が予想を上回ったことからエスパドリーユやロジャス・レナーなど小売りセクターが急騰したため、下げは限定的となった。

 週末12日は3日続落。ペトロブラスの次期社長人事をめぐるさまざまな憶測が広がる中、売りが強まった。前日にはペトロブラスのピエトロ・メンデス会長がサンパウロ州連邦地裁の司法判断により更迭されている。昨年の同会長の就任手続きに問題があったほか、就任自体が利益相反に当たると判断された。また、2月サービス業活動指数(2022=100)が季節調整済みで前月比0.9%低下(前年比2.5%上昇)と、4カ月ぶりに低下、市場予想(0.2%上昇)も下回り、23年8月以来の低い伸びとなったことも嫌気され、売りが強まった。

 今週(15-19日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策、ペトロブラスの首脳人事なども注目される。主な経済指標の発表予定は15日のGDP伸び率の先行指標となっている2月IBC-Br(経済活動指数)や16日の4月IGP-10インフレ指数(3月11日-4月10日まで物価変動指数)など。

<関連銘柄>

ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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