<新興国eye>前週の上海株、国債追加発行による景気対策や景気回復の兆しを受け反発=BRICs市況

新興国

2023/10/30 9:01

 前週(23-27日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数は週間ベースで4週ぶりに反発。27日は3017.78(20日終値比1.16%高)だった。

 週明け23日は指数が下落。翌24日は反発し、26日まで3日続伸した。

 週前半は、中東情勢の悪化に加え、中国の7-9月期GDP伸び率が市場予想を上回ったため、追加景気対策の可能性が低下するとの思惑が広がったことや、不動産危機懸念も強まり、全面安の展開となった。特にハイテク株が下げをけん引。その後は、政府系投資会社の中央匯金投資がETF(上場投資信託)の購入を開始したと発表したことが好感され、買いが優勢となった。ただ、市場は政府による強力な景気刺激策の発表待ちとなった。

 週後半は、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会で、景気支援のため、1兆元の新規国債発行が承認されたことがサプライズとなり、10-12月期のGDP伸び率が押し上げられるとの観測で買いが一段と強まった。その後は、新規国債発行を受け、外国人投資家が買い越しに転じたことが好感され、買いが広がった。ただ、中東情勢の悪化による原油価格の上昇や世界的なリスク投資の回避が強まっているため、地合いは弱く、上値は重くなった。

 週末27日は4日続伸。9月工業部門企業利益が前年比11.9%増と、2カ月連続の大幅増加となり、景気回復の兆しとして、買いが優勢となった。また、EV(電気自動車)用充電池大手CATL(寧徳時代新能源科技)が20億ー30億元の自社株買いを発表して急騰、上げをけん引した。

 今週(10月30日-11月3日)の株式市場は中東情勢や台湾情勢、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、ハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、不動産危機、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合(1日)も注目される。主な経済指標の発表予定は31日の10月中国PMI(購買担当者景気指数)や1日の10月CAIXIN(財新)中国製造業PMI、3日の10月CAIXIN中国サービス業PMIなど。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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