<新興国eye>トルコ、20-22年新中期経済計画を発表―成長率5%増目指す

新興国

2019/10/2 11:17

 トルコのベラト・アルバイラク財務相は9月30日、20-22年の中期3カ年経済計画を発表し、20年から経済成長率を5.0%に引き上げる一方で、インフレ率を22年までに4.9%上昇に引き下げる方針を明らかにした。地元紙ヒュリエトが伝えた。

 計画によると、経済成長については20-22年の成長率の達成目標をいずれも5.0%増としている。今回の発表では19年の成長率を0.5%増と予想しており、20年から急成長を目指すことになる。18年9月に発表した中期計画(19-21年)では19年は2.3%増、20年は3.5%増、21年は5.0%増を達成目標としていた。ちなみに18年は2.8%増だった。

 また、インフレ率については、20年は8.5%上昇、21年は6.0%上昇、22年は4.9%上昇を新たな目標とした。前回発表の中期計画では19年は15.9%上昇、20年が9.8%上昇、21年は6.0%上昇となっていた。今回の発表では19年の達成目標が従来の15.9%から12.0%に引き下げられた。ちなみに18年は20.3%上昇だった。

 同財務相は新中期計画で5.0%増の経済成長を達成することにより、20-22年の新規雇用者数が年間100万人増となるとしている。それにより、失業率も19年末時点の12.9%から20年は11.8%、21年は10.6%、22年は9.8%に低下していくとしている。18年は11.0%だった。

 財政規律については、20-21年の財政赤字を対GDP比で2.9%、22年で2.6%を達成目標とした。19年は2.9%を予想しており、18年は2.0%だった。経常収支(マイナスは赤字)は20年が対GDP比はマイナス1.2%、21年はマイナス0.8%、22年は0%で収支が均衡するとしている。19年は0.1%を予想。18年はマイナス3.4%だった。

 IMF(国際通貨基金)は、トルコの経済成長率の見通しについて、19年は微増、20-21年は1.5%増と、トルコ政府の目標よりもかなり低めに予想している。しかし、市場では政府が景気刺激策を強めれば、5.0%増の達成は可能とみている。

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 iS新興国<1362.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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