<米国株情報>GE、2万人の年金凍結へ―年金赤字を最大8500億円削減

株式

2019/10/9 10:27

 米複合企業大手ゼネラル・エレクトリック<GE>は7日、21年1月から米国内の約2万人のホワイトカラー職の従業員に適用している確定給付年金(DB)制度を凍結する方針を明らかにした。GEは企業年金制度への新規加入を12年に停止しており、それ以前の加入者が対象で、21年からは年金給付額が資産運用の結果によって増減する401K(確定拠出型年金制度)に代わる。

 約700人の幹部社員に毎月支払っている企業年金も凍結する。退職年金の給付が始まっていない約10万人の元従業員に対しては、年金を12月に一括払いするオプションを提示した。

 これらの措置により、年金給付の赤字額を50億-80億ドル(約5300億-8500億円)、純負債を40億-60億ドル削減できるとしている。GEは20年末までに財務の健全性を示すレバレッジ比率(EBITDAに対する有利子負債の倍率)を2.5倍以下に引き下げる方針で、債務減額により改善を急ぐ。同社の金融部門を除いた純債務額は6月末時点で544億ドルとなっている。

 同社の厳しい財務状況については、米金融大手JPモルガン・チェース<JPM>が4月、利益剰余金など内部で生み出されたフリーキャッシュフローが実質的にゼロとなっていると指摘。また、GEは長期債務に対して現金と現金同等の資産額が過小なためレバレッジ比率が高く、米経済がリセッション(景気後退)を迎えれば流動性不足の問題が起きやすいと警告している。

 なお、今回の年金凍結による債務削減策に対する株式市場の反応は薄く、GEの株価は7日、0.12%安の8.56ドルと下落し、翌8日も3.27%安の8.28ドルと急落した。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ