信用関連データ=売り残が増加に転じ、買い残は4週連続で増加、信用倍率は2.18倍に低下

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株式

2019/12/3 16:28

 11月29日申し込み現在の2市場信用取引残高は、売り残が前週比370億円増の1兆153億円、買い残が同225億円増の2兆2169億円だった。売り残は増加に転じ、買い残は4週連続で増加した。信用倍率は前週の2.24倍から2.18倍に低下した。

 この週(11月25-29日)の日経平均株価は29日終値が22日終値比180円高の2万3293円となった。週初25日から27日にかけて上昇し、28日と週末29日は下落した。なかで、騰落幅が3ケタになったのは週初(179円高)と週末(115円安)。前者は、米国株高を受け、買いが先行した。香港の区議会議員選挙(24日投票)では民主派が過半数を獲得する見通しとなり、香港株が高く、中国株が下げ転換後に切り返したことも支えとなった。後者は、為替相場の落ち着きを支えに高く始まったが、米国での香港人権法の成立を契機とした米中関係の先行き不透明感もあって利益確定売りに傾いた。香港株や中国株が下げ基調となり、時間外取引の米株先物も安く、重しとなった。信用需給面では、高値警戒感もあって売り残が増加に転じる一方、先高観を背景に買い建て玉の増加が続いたとみられる。

 一方、3日現在の売買代金に占めるカラ売り(信用取引を含む)の割合を示すカラ売り比率は、41.4%(2日は38.1%)と上昇し、再び40%台に乗せた。この日の日経平均株価は反落し、2万3379円(前日比149円安)引け。朝方は、2日の欧米株安を受け、売り優勢で始まった。米経済指標が低調だったほか、トランプ米大統領がブラジルとアルゼンチンから輸入する鉄鋼とアルミニウムに対して直ちに関税を課すとツイートし、投資家心理が後退した。円高・ドル安も重しとなり、下げ幅は一時340円を超えた。一巡後は下げ幅を縮小した。日銀のETF(上場投資信託)買い観測もあって、後場前半に向けて持ち直したが、戻りは限定され、大引けにかけては2万3300円台後半でこう着した。カラ売り比率は再び上昇し、地合いが落ち着けば、買い戻しを誘発しやすい。

提供:モーニングスター社

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