<新興国eye>トルコ、22年から国産車量産体制へ―政府3万台購入で支援

新興国

2020/1/8 10:02

 トルコのムスタファ・バランク産業技術相は6日、地元アンタラ通信(電子版)のインタビューで、政府主導で進めている国産車開発計画について、現在プロトタイプ(試作車)を100-150台生産できる段階とし、「22年初めから量産体制に入る」との見通しを明らかにした。地元紙デイリー・サバ(電子版)などが伝えた。

 同相によると、予約注文の受け付けはまだ開始していないが、すでに購入需要が旺盛だとしている。また、同相は国産車計画を支援するため、政府が35年までに3万台を購入することも明らかにした。

 政府の計画では国産車の開発のため32億ユーロを投資す。国産車は中・高所得者層向けで、電気自動車も含まれる。トルコ北西部のブルサ工場の生産能力は5車種で年間20万台、生産開始による直接雇用は4000人、周辺産業を含めた間接雇用では2万人に達し、長期的な経済効果として同国のGDP(国内総生産)を約500億ユーロ(約6兆130億円)押し上げると予想されている。

 国産車構想はエルドアン大統領が17年11月、国産車の製造に着手するため、複合企業大手アナドル・グループや軍用車両製造大手BMC、複合企業大手コチ・ホールディング、トルコ携帯電話サービス最大手タークセル、複合企業大手ゾルル・ホールディングの国内大手5社による企業コンソーシアムを立ち上げたことから始まった。大手5社は合弁会社「トルコ・オートモービル・イニシアチブ・グループ」を設立し、各社が19%ずつ出資し、トルコ商工会議所連合会(TOBB)が残りの5%を出資している。

<関連銘柄>

 iS新興国<1362.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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