<新興国eye>前週の上海総合指数、パンデミックによる景気悪化懸念で続落=BRICs市況

新興国

2020/3/23 10:06

 前週(16-20日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の20日終値が13日終値比4.91%安の2745.618となり、続落した。

 週明け16日の指数は売り優勢で始まり、19日まで7営業日続落した。

 週前半は、中国1-2月小売売上高が前年比20.5%減と、市場予想の同4.0%減を大幅に下回り、統計開始以来初めての減少となったほか、1-2月鉱工業生産も同13.5%減と30年ぶりの大幅減、1-2月固定資産投資も同24.5%減となり、新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界流行)の影響が鮮明に出たことが嫌気された。また、FRB(米連邦準備制度理事会)が今月2度目の緊急利下げを決定、併せて7000億ドルの資産買い入れ増額も決めたが、逆にリセッション(景気後退)懸念が強まったことも中国株売りを促した。市場では中国1-3月期GDP(国内総生産)はマイナス6%に縮小するという観測も出始めた。

 週後半は、パンデミックによる世界景気懸念が強まり、売りが膨らんだ。中国以外の世界各国で感染拡大が止まらず、サプライチェーンの寸断による景気悪化懸念で中国景気の回復も遅れるとの見方が強まった。米証券大手ゴールドマン・サックスが中国1-3月期GDP見通しを従来予想の2.5%増から9.0%減に引き下げたことも売り材料となった。

 週末20日は8営業日ぶりに反発。中国国内での新型コロナウイルスの感染拡大が一服したことや、政府による一段の景気支援策への期待感が強まり、値を戻した。

 今週(23-27日)の株式市場は、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大やイラン・シリア情勢などの地政学リスク、海外の金融市場の動向、株価支援・景気対策、人民元相場、原油などのコモディティ(国際相場商品)相場などが注目される。主な経済指標の発表の予定は27日の2月鉱工業利益など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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