富士フイルムがカイ気配、インフル薬「アビガン」を新型コロナ向け承認へ

株式

2020/3/30 9:01

 富士フイルムホールディングス<4901.T>がカイ気配で始まった。同社の子会社の富山化学が開発した抗インフルエンザ薬「アビガン」に関し、安倍首相が28日の会見で「新型コロナウイルスの治療薬として承認するプロセスを開始した」と表明した。

 アビガンは14年に日本で承認された。ウイルスは宿主の細胞分裂によって増殖するが、同薬はその際の遺伝子複製を阻害する点が従来薬にない特徴だ。新型コロナの肺炎患者に試験投与されていたが、国内での感染拡大に備えて実用化に舵が切られる。

 アビガンをめぐっては、既に中国政府が新型コロナ患者の肺炎症状が短期間で改善する効果を確認したと発表している。アビガンの有効成分「ファビピラビル」に関する特許ライセンス契約を富士フイルム結んでいた中国の大手製薬会社「浙江海正薬業」が、後発品を量産する。

 ファビピラビルの中国での物質特許は切れているが、日本国内ではまだ継続している。治験を経て量産に移行した場合、富士フイルムの業績にも一定の好影響をもたらしそうだ。

 また安倍首相は、日医工<4541.T>が製造・販売する膵炎(すいえん)治療薬「フサン」についても、観察研究として新型コロナ患者への投与を始めることを明らかにしている。

提供:モーニングスター社

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