今晩のNY株の読み筋=トランプ米大統領の内憂外患―市場は慎重姿勢か

株式

2020/5/14 17:28

 きょうの米国株式市場は、神経質な展開が想定される。

 きのうの米国株式市場は、主要3指数がそろって下落し、NYダウは3日続落となった。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が講演で米経済の先行きに悲観的な見解を示したことや、新型コロナ感染拡大をめぐる米中関係悪化懸念などが嫌気され、このリスクオフムードはきょうのアジア時間も尾を引いた。

 一方、経済活動や学校の早期再開を図りたいトランプ米大統領の内憂外患は尽きない。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は12日の米上院の公聴会で、経済活動の再開を急ぎすぎると新型コロナの爆発的な感染が再発しかねないと警鐘を鳴らし、トランプ米大統領は「受け入れられない」と表明。こればかりか、景気支援の方策としてのマイナス金利の導入に慎重姿勢を示すパウエルFRB議長のスタンスには「意見が合わない」と不満を漏らし、中国に対しては新型コロナ感染拡大を責任を問う趣旨の発言を繰り返すなど、国内外に対立軸をもち、危機対策に立ち向かう英雄を演じている感さえある。トランプ米大統領が11月の大統領選に向け経済を再建する様を有権者にアピールしたいのは明らかだが、現状は防疫、金融、外交とどの面でも八方ふさがり。マーケットもきょうのところはリスクテイクに慎重にならざるを得ないだろう。

<主な米経済指標・イベント>

4月輸出入物価

アプライド・マテリアルズなどが決算発表予定

(日付は現地時間)

◎投資関連情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、株式の売買は自己責任に基づき、ご自身で判断をお願いします。

提供:モーニングスター社

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