<中原圭介の相場観>投資戦略はPBRを基準に組み立てる
2020/5/20 17:00
3月16日に執筆したコラムでは、「歴史的にみて、日経平均株価ののPBR(株価純資産倍率)が1.0倍を下回った時期はいずれも短い期間(1年以内)でしかないこと」「過去20年でPBRが0.9倍を下回ったのは、リーマン・ショック期の0.81倍、欧州債務危機の0.87倍、新型コロナ・ショックの0.84(3月13日終値で計算)の3回しかないこと」を指摘した上で、「PBR0.8倍前後は買いで対処したい」と書いた。
■今回も経験則が成り立つ
この歴史的な経験則は、今回の新型コロナ・ショックでも通用していることが証明されたと思う。日経平均株価は5月19日に2万659円の高値を付け、3月6日以来のPBR1.0倍を回復したからだ。ただし、PBRが1.0倍を回復するには、早くても3カ月、通常で5~6カ月の期間を要するとみていたので、3月19日安値からわずか2カ月で経験則通りになったのは意外だった。
さて、日経平均は今後、このまま上昇を続けるのだろうか。日経平均の予想PERが30倍を超えているが、これは企業業績が急回復することを織り込んできている。コロナとの戦いが長期戦であることを考えると、今のPERを正当化するのは難しいだろう。中・長期の投資家はPBR1.0倍の水準を絶好の利益確定のタイミングとみているのではないだろうか。
■PBR1.0倍が分岐点
5月18日のコラムでは、多くの専門家がワクチンの開発には最低でも1年程度かかると言っていることを紹介したが、19日に大きな話題になったモデルナ<MRNA>社のワクチンの治験結果に対して、早くも欧米の専門家から疑問の声が上がっている。また、今日(20日)の報道では、臨床研究でアビガンの有効性が認められなかったという。米国で新型コロナの第1波が再拡大するリスク、冬場に第2波が襲来するリスクなどをかんがみて、PBR1.0倍の水準を分岐点として投資戦略を考えた方がよさそうだ。
(アセットベストパートナーズ 中原圭介)
提供:モーニングスター社
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