<新興国eye>前週の上海総合指数、中銀の景気支援を好感し3週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2020/6/1 10:48

 前週(5月25-29日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の29日終値が22日終値比1.37%高の2852.351となり、3週ぶりに反発した。

 週明け5月25日の指数は反発して始まり、翌26日は大きく値を上げ、続伸した。

 週前半は、前の週末に全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕したことから、政府による景気支援策への期待感が強まり、買いが優勢となった。また、北京と武漢を結ぶ航空便が再開されるなど、中国各地の経済活動の回復が本格化してきたことも支援材料となった。その後は、中国人民銀行(中銀)が経済支援のため、7日物リバースレポを実施し、総額100億人民元を市場に供給したことや、中銀の易綱総裁がローンプライムレート(貸出基礎金利)の改革を進め、貸出金利の低下を促す方針を示したことが好感された。

 27日は3日ぶりに反落。トランプ米大統領が中国政府の国家安全法の制定による香港締め付けに反発し、週内にも新たな制裁措置を発表する可能性を示唆したため、売り優勢となった。

 28日は反発し、週末29日も値を上げ、続伸した。

 28日は、全人代の閉幕を翌日に控え、慎重な取引となったものの、買い戻し優勢。29日は、全人代で香港国家安全法の制定が承認されたことを受け、米国が対中制裁を発動するとの懸念で上値が重くなったものの、李克強首相が全人代閉幕後の会見で、「景気刺激策を打ち出す余地がある」と発言したことが買い材料となった。

 今週(1-5日)の株式市場は、引き続き新型コロナウイルスの第2波感染やコロナ規制緩和の動向、香港問題を巡る米中対立の激化、海外の金融市場の動向、株価支援・景気対策、人民元相場、原油などのコモディティ(国際相場商品)相場などが注目される。主な経済指標の発表の予定は3日の5月財新サービス業PMI(購買担当者景気指数)、7日の5月貿易収支など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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