<新興国eye>米S&P、トルコのソブリン債格付けを据え置き―アウトルックも「安定的」に

新興国

2020/7/29 9:58

 米信用格付け大手S&Pグローバル・レーティングスは24日、トルコの外貨建てと自国通貨建ての長期ソブリン債格付けをそれぞれ「B+」と「BB-」に、格付けに対する見通し(アウトルック)を「安定的」に据え置いたことを明らかにした。

 S&Pはトルコ経済の見通しについて、20年の成長率を新型コロナウイルスの感染拡大による悪影響で3.3%減になると予想しているが、悪影響が弱まる20年下期(7ー12月)から景気が回復し始め、21年には4.5%増に、22年と23年はいずれも3.5%増になるとしている。

 一方、S&Pは、「この数カ月、インフレ率が2ケタの伸びとなり、市中の信用供与額も急増、経常赤字も拡大する兆候が再び現れ始めた」とし、懸念を示した。

 政府の財務状況については、「政府による景気支援のための財政拡大に加え、20年の経済成長率が3.3%減となることから、20年の財政赤字は対GDP比5.0%と、19年の同3.2%から上昇する」としたが、「20年末時点の公的債務額は純額ベースで対GDP比35%にとどまり、政府による財政政策の余地は残される」とみている。その上で、「トルコの財政状態は比較的強く、ソブリン債格付けを下支えし続ける」と楽観視した。

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 iS新興国<1362.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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