Ubicomが21年3月期の第1四半期決算を発表、過去最高益を更新
2020/8/14 8:31
Ubicomホールディングス<3937.T>は13日大引け後、2020年3月期の第1四半期(4-6月)決算を発表した。
連結売上高は10億1400万円(前年同期比7.1%増)、営業利益は1億8100万円(同7.5%増)、経常利益は1億7500万円(同4.0%増)、純利益は1億1700万円(同4.8%増)となった。20年3月期に前倒しで高収益モデルを確立したことが奏功し、新型コロナウイルスの感染拡大の中でもおう盛な需要をとらえて増収増益を確保し、第1四半期としては過去最高益を更新した。
フィリピン子会社を活用したソリューション開発を手掛けるグローバル事業は既存のピラー(主要)顧客からの売上とソリューションの受注が拡大し、売上高は前年同期比10%以上の増加となった。新型コロナの影響も最小限にとどまった。顧客のピラー化によるパートナーシップの確立から、開発の標準化、IoT(モノのインターネット)を活用した分析、テスト自動化などのソリューション提供に向けた事業を推進中。さらに、コロナ禍におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)化をチャンスととらえ、さらなる事業拡大に向け第2四半期より利益バランスを見た上で戦略的投資を実行する予定。
一方、レセプト(診療報酬明細)点検ソフトウエア開発などのメディカル事業は次世代レセプトチェックシステム「Mighty Checker EX」が寄与し、ストック売上高が順調に伸び、営業利益は前年同期比16.8%増となった。高収益サブスクリプション型ビジネスモデルを確立した上、戦略的開発案件以外の利益率の低い案件の受託中止もあり、売上高セグメント利益率が49.5%と利益率が大幅に改善した。
今後は大手医療グループ内の横展開に加えて、新型コロナ対策としてWebを活用した営業、サポートを強化し、直接販売に注力する方針だ。
さらに、子会社が4月1日から、全国医療機関に向け医療クラウドの新サービス「SonaM(そなえむ)」の提供を開始した。加えて、保険会社向け新ソリューションなど、医療のデジタル化に関する新事業を積極的に立ち上げ、「Mighty」シリーズに次ぐ将来の「新たなサブスク型の収益源」の確立も目指す。
21年3月期業績予想は、売上高44億3700万円(前期比9.9%増)、営業利益8億700万円(同14.0%増)、経常利益8億4000万円(同17.4%増)、純利益6億500万円(同13.4%増)を見込んでおり、新型コロナウイルス感染症の影響(5000万円)を織り込んだうえで、前年度に引き続き「過去最高益」の更新を計画している。
同社は高収益事業モデルを確立していることから、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的とみている。また、同社計画はこれまで保守的な傾向があり、20年3月期業績が計画を上回って着地した経緯もあることから、21年3月期も計画の上ブレが期待される。
提供:モーニングスター社
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