(再送)ソーバル・推津敦社長に聞く=「自動運転」開発を中心に成長継続

株式

2020/8/27 8:35

 ソーバル<2186.T>は社内エンジニアのチームで受託開発を手掛ける請負事業が拡大し、いまや主力事業となっている。近年はAI(人工知能)、自動運転関連の受託開発が伸びており、それに伴い事業の幅が広がり、取引先も増加中だ。同社の現状と今後について推津敦社長に聞いた。

 ――「自動運転」に関わる案件が増加しています。

 「自動車関連は巨大な市場で、以前から参入したいと思っていました。自動車業界に参入し、『自動運転』に関わるソフトウエア開発で事業は拡大しています。いずれは当社の主力事業になる勢いです。トヨタ自動車<7203.T>グループのトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)、日立製作所<6501.T>グループの日立情報通信エンジニアリング、日立ソリューションズテクノロジーなど、取引先も順調に増えています。さらに、『自動運転』は長期的に開発が続くため、今後も継続的な案件獲得が見込めるでしょう」

 ――取引先の開拓が進んでいますね。

 「主要取引先はキヤノン<7751.T>、ソニー<6758.T>、富士通<6702.T>など、以前は大手電機メーカーがほとんどでした。しかし、現在では新分野とともに新規顧客の開拓に積極的に取り組んでおります。従来はキヤノンへの依存度が高かったものの、取引先数の増加から売上高比率は徐々に低下しています。取引先のポートフォリオが多様化し、それがリスクヘッジになっており、新型コロナウイルス感染拡大の影響も限定的ですみそうです」

 ――新型コロナの影響はいかがですか。

 「2021年2月期の業績予想について、6月にいったん未定とし、7月に下方修正しました。コロナで大手取引先の業績が落ち込んだ影響です。ただ、案件の遅れはあっても、大半の既存顧客の継続案件に大きな変化はなく、その大手取引先以外は特に悪化していることはありません。その点、すべてが悪化したバブル崩壊後やリーマン・ショック後とは違います。一方、以前からテスト的に行っていたテレワークの人数を大きく増やしました。業務上は特に問題なく、離職者も減っており、コロナ後も積極的に取り入れることを考えます。それが通勤など社員の負担軽減に、当社にとってもコスト削減につながりそうです」

 ――将来のビジョンを教えてください。

 「AI、自動運転は息の長いテーマであり、コロナの影響があっても長期的に案件の増加は続くでしょう。その中で、引き続き人材強化とともに、生産性向上に取り組み、継続的な成長を目指します。さらに、Web系技術者を増やし、事業の幅をより広げていく考えもあります。M&A(企業の合併・買収)もチャンスがあれば実施したいと考えています。5年後に振り返ったとき、コロナは変革のきっかけと言えるようになっていればいいなと思います」

提供:モーニングスター社

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