日本管理センター、コロナ禍きっかけに「プロップテック」を加速
2020/8/28 14:12
日本管理センター<3276.T>は28日、決算説明会の動画を配信した。20年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比8.7%増の231億5664万円、営業利益は同14.1%減の10億2360万円となった。前期に獲得した物件の入居促進にかかるコストが膨らんだほか、テレワーク促進のための設備投資にかかるコストが発生した。入居促進のための費用は計画通りで、テレワーク関連のコストは一時的なもののため、過度の懸念はない。
武藤英明代表取締役・社長執行役員は冒頭、新型コロナウイルス感染症の影響を説明。入居は減少したものの退居も抑制されているほか、国や自治体による住居確保給付金等の救済策もあって家賃の滞納は増えておらず、「(いまの状況が)2年、3年と続けば分からないが、現状で新型コロナの影響は軽微で済んでいる」との認識を示した。また、同社は建設資材の購入などでキャッシュアウトが先行するハウスメーカーとは異なり、入居者からの家賃入金というキャッシュインが先行するビジネスモデルであることから資金繰りの心配もないという。
もともと「プロップテック・カンパニー」に向けた業務改革を進めているところだったが、新型コロナをきっかけに業務効率化を加速。テレワークを実施することで通勤を不要にし、出社する場合でもスーパーフレックスを導入して出勤者を分散させているほか社内ではWEB会議を活用している。また、ZOOMなどを活用したリモート営業の推進により、移動時間を大幅に削減でき、顧客との打ち合わせも増やすことができる。副次的な効果としては、オフィス増床や社有車の必要性もなくなるため、コスト削減が期待できるとした。
今後、人口が減少する一方で2人以下の世帯が増え続けるとみられるとし、こうした層へのアプローチを強化する。単身世帯ではワンルームなどではなく、収入や生活レベルが高い40代以上が増える見通しで、高付加価値物件や、高齢者向け物件を増やしていく方針だ。特に力を入れているのは高齢者向けで、マーケティングから融資面までサポートする。7月末時点で160棟5502戸と業界3位の規模を誇り、コロナ禍においても入居率は92.4%と高い水準を維持している。
また、従業員1人当たりの運用戸数を1000戸に拡大する。現在は400戸を超える程度とはいえ、多くのハウスメーカーが100戸に届かないためすでに優位に立っているが、目標に向けて査定や入居審査のAI(人工知能)化などの導入などで販管費率の半減を目指し、業務効率化を進めていく。
提供:モーニングスター社
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