<新興国eye>前週のロシアRTS指数、対ロ制裁懸念も、原油高・ルーブル高で反発=BRICs市況

新興国

2020/8/31 9:35

 前週(24-28日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の28日終値が前日比0.06%高の1265.62、前週比でも0.29%高と反発した。

 週明け24日の指数は大きく反発して始まった。米政府が英製薬大手アストラゼネカの新型コロナワクチンの早期認可を検討していることを受け、海外市場が堅調となったことや、ブレント原油先物が米国のハリケーン到来シーズンに入り、1バレル=45ドルに上昇したことが好感された。また、デニス・マントゥロフ産業貿易相がロシアの今年の経済成長率の下落幅が5%を超えないと発言したことも支援材料となった。

 25日は反落。旧ソ連・ベラルーシの政治混乱やロシアの野党指導者アレクセイ・ナヴァルヌイ氏の毒殺未遂事件に絡んで、西側による新たな対ロ制裁懸念が広がったことや、ルーブル安が嫌気された。

 26日は再び反発した。欧米市場が堅調となったことや、原油先物価格が米国本土へのハリケーン「ローラ」の接近と米週間石油統計の結果を受け、3月来高値を付けたことがロシア株の買い材料となった。

 27日は反落したが、週末28日は小反発した。

 27日は、米国のハリケーンの勢力が弱まり、米国の石油産業への打撃懸念が薄れたため、原油先物価格が45ドルの下値を試す展開となり、ロシア株も売りに傾いた。

 28日は、原油先物価格が45ドル近辺で落ち着いたことや、ルーブル高となったことが支援材料となった。

 今週(8月31日-9月4日)のロシア市場は引き続き、新型コロナ感染再拡大や世界経済、特に米国経済の動向、米中関係、ロシア国内の景気対策や原油価格、ルーブル相場、主要企業の四半期決算などが焦点となる。主な国内経済指標の発表予定は9月1日の8月製造業PMI(購買担当者景気指数)や3日の8月サービス業PMI、4日の8月CPI(消費者物価指数)など。また、海外では原油価格に影響を与える1日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や2日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。RTS指数の予想レンジは1200-1300ポイント。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、iSエマジン<1582.T>、iS新興国<1362.T>、

 WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、

 野村原油<1699.T>、iエネルギー<2024.T>

提供:モーニングスター社

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