<新興国eye>前週のブラジル株、欧米ワクチン開発や景気回復期待で4週続伸=BRICs市況

新興国

2020/11/30 10:40

 前週(23-27日)のブラジル株式市場は27日のボベスパ指数が前日比0.32%高の11万575.5、週間ベースでも20日終値比4.27%高となり、4週続伸した。

 週明け23日の指数が反発して始まり、週末27日まで5連騰した。

 週前半は、米国で新型コロナワクチン接種が12月中旬にも開始されるとの報道を受けて米株市場が上昇したことや、英国のオックスフォード大学と英・スウェーデン資本の製薬大手アストラゼネカが共同開発中の新型コロナワクチンの治験結果で高い有効性を確認したことが好感された。その後もトランプ米大統領がバイデン次期大統領への政権移行の開始に協力する考えを示したことが好感され、買いが一段と強まった。

 週半ばから週後半は、バイデン次期米大統領が財務長官にイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)前議長を起用すると伝わったことが買い材料となった。ただ、国内の新型コロナによる死者数が17万人を超えたことから景気や雇用への悪影響が懸念され、また、11月消費者信頼感指数も2カ月連続で低下したため、上げは限定的となった。その後も指数はプラス圏を維持したが、欧米での新型コロナ感染再拡大が重しとなり、小幅高にとどまった。

 週末は、11月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)企業景況感指数が7カ月連続で上昇し、10年10月以来10年ぶりの高水準となったことで、景気回復が進んでいるとの見方から買いが持続した。

 今週(11月30日-12月4日)の株式市場は、財政健全化問題や新型コロナ感染再拡大、新型コロナワクチンの開発動向、米国の追加景気対策、米中関係、欧米やアジアの市場動向、原油などの国際商品相場の動向、企業決算などが注目される。主な経済指標の発表予定は30日の10月財政収支や1日の11月マークイット製造業PMI(購買担当者景気指数)と11月貿易収支、2日のサンパウロ大学経済研究所(FIPE-USP)が発表する11月IPC-Fipeインフレ指数と10月鉱工業生産、3日の7-9月期GDP(国内総生産)と11月マークイット・サービス業PMIなど。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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