<新興国eye>前週の上海総合指数、堅調な経済指標と国内景気回復期待で反発=BRICs市況

新興国

2020/12/21 9:58

 前週(14-18日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の18日終値が11日終値比1.43%高の3394.896となり、反発した。

 週明け14日の指数は急反発して始まった。前の週末、中国の劉昆財政相が経済成長を高めるため、内需とサプライチェーン、技術革新に対する財政支援を強化する方針を示したことや、習近平国家主席も温室効果ガス排出削減目標を引き上げ、再生可能エネルギーの新たな目標を設定したことが好感され、政府による追加景気支援期待で買い優勢となった。

 翌15日は小反落し、16日も小幅に値を下げ、続落。

 15日は、欧米で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、経済活動への規制が強化されたことを受け、外需低迷が中国経済に悪影響が及ぶとの懸念、さらにはアパレル大手の山東如意科技集団有限公司の社債がデフォルト(債務不履行)となったことが嫌気された。ただ、中国11月鉱工業生産が前年比7.0%増と、8カ月連続で増加したことや、中国人民銀行(中銀)が資金供給ツールの1つである中期流動性ファシリティ(MLF)を通じ、9500億人民元の資金を供給したことが支援材料となり、下げは限定的となった。

 16日は、米国防省が12月初め、中国人民解放軍の支配下にある中国企業のブラックリストに4社を追加したことを受け、株価指数プロバイダーの米モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)も一部の株価指数の構成銘柄から中国企業10社を除外すると発表したことが嫌気された。

 17日は3日ぶりに急反発。中国経済が回復するとの楽観的なムードが広がったほか、米議会が9000億ドル規模の追加景気刺激策で合意に近づいているとの観測で買い戻しが強まった。

 週末18日は反落。米エネルギー長官が重要な国防施設への電力供給企業が中国から基幹電力製品を調達することを禁止する行政命令を発布したことや、米商務省も中国半導体最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)など中国企業数十社を禁輸リストに追加するとの観測で、米中関係の悪化懸念が強まり、売り優勢となった。

 今週(21-25日)の株式市場は、引き続き新型コロナ感染やワクチン接種動向、世界経済の動向、米中関係、海外の金融市場の動向、株価支援・景気対策、人民元相場、原油などのコモディティー(国際相場商品)相場などが注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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