<特集>株を枕に年を越す(1)=コロナ禍を跳ね返し、世界的に株価は上昇

株式

2020/12/25 17:41

 2020年も残すところわずかとなった。中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を受け、日経平均株価は3月に1万6358円の安値を付けた。その後は各国の中央銀行が金融緩和策を強化、政府が財政出動の拡大で景気を下支えするなか、ワクチン開発が進められた。12月には欧米でワクチンの接種が始まり、市場に安心感が広がった。最も大きな政治イベントである、米国の大統領選挙ではバイデン氏が勝利し、米国ではNYダウ、ナスダック総合指数、S&P500などの主要株価指数が史上最高値を更新した。日経平均株価も3月の安値から2万6900円台までの戻りを見せ、29年ぶりの高値水準にある。3月安値からの上昇率は64%、年間の上昇率も14%近いパフォーマンスとなっている。

 新型コロナウイルス感染症の拡大は世界にとって大きな禍だったが、株価の動きをだけを見ると、市場はコロナ禍を跳ね返した格好だ。半年から1年という株価の先見性を踏まえると、ワクチン接種による感染症の抑制、景気や企業業績の回復を先取りしていることになる。市場関係者の多くは21年の相場についても楽観的だ。リスクは常に意識しなければならないが、来年に向け年をまたいでポジションをキープ、「株を枕に年を越す」のも悪くはないだろう。

提供:モーニングスター社

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