MSプレミアム=ラクス:拡大期―新規顧客開拓が順調、クラウド事業伸長、成長力強化目指す

株式

2021/1/6 7:49

 ラクス<3923.T>は高値圏で堅調。業績好調から、今後、改めて上値を狙う展開が期待される。同社はクラウド方式で各種ツールを提供するクラウド事業のほか、IT人材事業も手掛ける。クラウド事業のユーザー数が順調に伸び、新型コロナウイルス感染症拡大の中でも成長性は高い。

 クラウド事業では、主力のメール共有・管理ツール「メールディーラー」に加えて、経費精算システム「楽楽精算」にも注力。特にここ数年は「楽楽精算」の拡販を図るため積極的なプロモーションを行うとともに、PDCA(計画、実行、評価、改善)の高速化も実施し、それがユーザー数増、業績拡大につながっている。

 また、「働き方改革」推進が追い風になっており、同社は「メールディーラー」「楽楽精算」に続いて販売管理システム「楽楽販売」、Web明細書・帳票発行システム「楽楽明細」の拡販にも取り組む。中でも、「楽楽明細」は問い合わせ、受注とも増加しており、拡大期を迎えつつあるとみられ、近い将来には主力サービスに育っていきそうだ。

 業績は好調で、21年3月期の上期決算は連結売上高70億7400万円(前年同期比31.2%増)、営業利益17億400万円(同2.5倍)で大幅な増収増益となった。新型コロナで商談が一時的に停滞することがあったものの、クラウド事業の各サービスについて新規顧客開拓が順調に進んでいる。

 20年10月には通期業績予想を上方修正し、売上高を従来の146億7000万円から151億1900万円(前期比30.2%増)に、営業利益を32億9000万円から36億400万円(同3.1倍)に引き上げた。同社はストック型のビジネスモデルのため、売上高に連動する変動費が少ないことから、増収率以上に増益率が高くなると見込んでいる。

 一方、今後の成長を視野に入れて人材強化に取り組むが、現在は人材確保が難しくなっている面もある。そのため、採用費、人件費が予算未消化になり、それが通期利益の上ブレにつながる可能性もありそうだ。

提供:モーニングスター社

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