来週の日本株の読み筋=下値固めか、需給改善に期待

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2021/3/19 17:25

 来週(22-26日)の東京株式市場は、下値固めの展開か。日銀は19日の金融政策決定会合で長期金利目標のレンジをプラスマイナス0.25%(従来は同0.20%)に拡大したほか、ETF(上場投資信託)の購入の目安となる年間6兆円を撤廃した。事前報道通りの内容となったが、ETF(上場投資信託)の買い入れ対象を見直したことで19日後場の日経平均株価の一段安につながった。ETF購入に際し、日経平均型をやめ、TOPIX(東証株価指数)型に一本化したことで、日経平均寄与度の高い銘柄を中心に値を下げ、下げ幅を拡大した。

 一方、同日のTOPIXは9営業日続伸し、1991年以来の高値を更新中だ。日経平均以上に市場全体の値動きを示すTOPIXが堅調さを保っていることは、個人投資家を中心に余裕が広がりつつあるとも言える。需給面では、年度末に向けた年金の売り一巡が見込まれる。また、米追加経済対策に基づく現金給付が始まり、米株への資金流入を通じて日本株にも好影響をもたらす公算があり、需給改善も期待される。

 スケジュール面では、国内で24日に1月20、21日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨が発表される。海外では22日に米2月中古住宅販売件数、23日に米20年10-12月期経常収支、25日に米20年10-12月期GDP確報値、26日に独3月Ifo景況感指数などが予定されている。

 なお、19日の日経平均株価は大幅反落し、2万9792円(前日比424円安)引け。前場は、米長期金利の上昇を背景に18日の米国株式市場で主要3指数が下落した流れを受け、300円超安で寄り付いた。直後にいったん持ち直したが、買い続かず、上値が重くなった。後場は一段安となり、下げ幅は一時590円を超えた。日銀のETF買い入れ対象の見直しがファーストリテ<9983.T>などの指数寄与度の高い銘柄の売り圧力につながった。一方、TOPIXは2012.21ポイント(同3.70ポイント高)と上げが続いた。

提供:モーニングスター社

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