明日の日本株の読み筋=配当落ち分即日埋めなるか、「米ファンド債務不履行」報道見極めも

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2021/3/29 19:14

 あす30日の東京株式市場は、3月期末の権利落ち日となり、配当落ち分(日経平均株価ベースで180円程度)を即日で埋めきれるかどうかが注目される。即日埋めとなれば、基調の強さを改めて印象付けることにもなる。株価指数連動型ファンドを運用する投資家から将来受け取る見込みの配当金を再投資する先物買いが引き続き入るとみられ、需給面での支えとして意識されよう。

 一方、スイス金融大手クレディ・スイス・グループは29日、同社をはじめとする一部金融機関が実施した米ヘッジファンドへのマージンコール(追加担保の差し入れ要求)が債務不履行(デフォルト)になったと発表したと報じられた。これをきっかけに29日後場の日本株は急速に上げ幅を縮小した経緯があり、市場では「その影響がどの程度広がるか、海外株動向を含め、見極める必要がある」(準大手証券)との声も聞かれた。日経平均株価は直近3連騰(合計979円上昇)で戻りピッチが速い面もあり、海外要因に不透明感が増すようだと利益確定売りに傾く可能性がある。

 9日の日経平均株価は大幅に3営業日続伸し、2万9384円(前週末比207円銭高)引け。朝方は、前週末の米国株高を受け、買いが先行した。時間外取引での米株価指数先物安もあって、いったん伸び悩んだが、次第に盛り返した。3月期末配当取りの動きや、大引けにかけての配当再投資目的の先物買い観測が支えとなり、上げ幅は一時400円超えた。ただ、買い一巡後は、米ファンドの債務不履行が伝えられ、株価指数先物にまとまった売り物が出て、一時24円高まで大きく上げ幅を縮小する場面もあった。

提供:モーニングスター社

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