明日の日本株の読み筋=上値の重い展開か、新型コロナ感染拡大への警戒続く

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株式

2021/4/14 17:00

 あす15日の東京株式市場は、上値の重い展開か。3月期企業の決算発表を控え、積極買いが期待しにくいなか、国内の新型コロナウイルス感染拡大への警戒感が高まり、引き続き相場の重しとして意識されそうだ。新規感染者数は、大阪府できのう1099人と過去最多となり、東京都では14日午後3時時点で591人と先月2回目の緊急事態宣言が解除されて以降では最も多くなった。政府の分科会の尾身茂会長は同日、衆議院内閣委員会で、大阪について「『まん延防止等重点措置』で新規感染者数の状況に効果がなければ、緊急事態宣言を出す選択肢も出てくる」との認識を示した。また、「東京も徐々に感染が広がっていて、大阪のようになる可能性も十分ある」との見解を述べ、今後の感染状況次第で不透明感が増す可能性がある。

 市場では、海外投資家の売りが観測されるなか、「彼らは、日本の新型コロナ感染者数の急増やワクチン接種の遅れに対する警戒感があるようだ」(銀行系証券)との声が聞かれた。また、「感染拡大の波が強まれば、経済正常化への期待も後退する」(準大手証券)とし、当面、投資家心理に影を落としそうだ。

 14日の日経平均株価は反落し、2万9620円(前日比130円安)引け。朝方は、売りが先行した。13日の米国株式は高安まちまちながら、円高歩調とともに取引開始前に発表された2月機械受注の下ブレも重しとなった。きのう大幅反発した反動から利益確定売りも出やすく、下げ幅は一時180円を超えた。一巡後は、値がさハイテク株の一角が堅調だったこともあり、下げ渋ったが、戻りは限定され、大引けにかけて上値が重くなった。決算控えで様子見気分のなか、国内での新型コロナ感染拡大を懸念する向きが多かった。

提供:モーニングスター社

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