<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油高や米ロ首脳会談6月開催見通し受け反発=BRICs市況

新興国

2021/5/24 10:24

 前週(17-21日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の21日終値が前日比0.69%高の1569.55、前週比でも14日終値比1.33%高となり、反発した。

 週明け17日の指数は買い先行で始まり、18日も値を上げ、3営業日続伸。

 週前半は、ブレント原油先物が1バレル=69ドルを超えたことが好感され買いが優勢となった。個別銘柄では、バルト海経由でロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン網「ノルドストリーム」の2番目のパイプライン「ノルドストリーム2」のドイツ国内での建設が許可されたことを受け、国営天然ガス生産・供給大手ガスプロムが買われ、指数の上げを主導した。

 19日は反落。産油国イランと米国の核協議が進展したことを受け、イランの原油増産観測が強まり、原油先物価格が66ドルに急落したことが嫌気された。

 20日は反発し、週末21日も値を上げ、続伸した。

 19日に公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録で、FRB(米連邦準備制度理事会)がテーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)の議論を開始する可能性が示されたことを受け、20日の海外市場が下落したものの、ロシア時間に入ると、FRBの金融引き締め懸念が後退し、欧米市場が回復。このほか、ブリンケン米国務長官が6月に米ロ首脳会談が開かれる見通しを明らかにしたこと、さらには米政府が対ロ制裁を行わない方針を米議会に報告したことを受け、ロシア市場では買い戻し機運が高まった。

 21日は、原油先物価格が67ドルに回復し、買い優勢となった。

 今週(24-28日)のロシア市場は引き続き、新型コロナ感染やワクチン接種などの動向、世界経済の動向、対ロ制裁、ロシア国内の景気対策、原油価格、ルーブル相場、主要企業ニュース、反体制派指導者ナワリヌイ氏の動向などが焦点となる。このほか、原油価格に影響を与える25日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や26日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な国内経済指標の発表予定は24日の4月小売売上高と4月失業率、25日の4月鉱工業生産など。指数は1500-1650ポイントの値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、iSエマジン<1582.T>、WTI原油<1671.T>、

 ガス<1689.T>、原油<1690.T>、野村原油<1699.T>、

 iエネルギー<2024.T>

提供:モーニングスター社

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