明日の日本株の読み筋=もみ合い商状か、国内ワクチン接種進展は支えも米インフレ懸念残る

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2021/5/24 17:15

 あす25日の東京株式市場で、主要株価指数はもみ合い商状か。政府が東京と大阪に設置した新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターで24日から接種が開始された。東西2カ所で1日最大1万5000人程度の接種が可能になる見通しで、今後のワクチン接種の進展とともに経済正常化への期待が支えとして意識される。

 一方、米インフレ懸念が残り、積極買いは期待しにくい。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は21日、米紙ワシントン・ポストとのバーチャル形式でのインタビューで、債券購入プログラムの縮小に関する議論を早めに始めるべきだとの見解を示し、当日の米ハイテク株安につながった。インフレへの警戒が強まれば、ハイテク株売りが再燃する可能性は消えていない。また、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインはこの日下げ止まり、相場への影響は限定的だったが、なお先行き不透明感があり、その動向にも注視する必要があろう。

 24日の日経平均株価は3営業日続伸し、2万8364円(前週末比46円高)引け。朝方は、前週末の米国株式でナスダック総合指数が安く、ハイテク株の一角などが軟化し、安く寄り付いた。その後は、株価指数先物に断続的な買いが入り、上げに転じた。米ダウ先物高もあって景気敏感株中心に堅調に推移し、心理的はフシ目となる2万8500円台を回復し、上げ幅は一時260円を超えた。ただ、買い一巡後は、戻り売りに上値を抑えられ、大引けにかけて伸び悩んだ。市場では、「基本的に押し目買いスタンスは続いているが、日経平均2万8500円超えでは利食い売りが出てくる」(中堅証券)との声が聞かれた。

提供:モーニングスター社

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