<米国株情報>FDA長官代行、バイオジェンの認知症薬の「認可過程は不適切」―認可自体は容認

株式

2021/7/16 10:21

 米食品医薬品局(FDA)の最高責任者であるジャネット・ウッドコック長官代行は14日、医薬品やライフサイエンスなどヘルスケア専門の米デジタルメディア大手STATが主催した年次イベントで、STATのインタビューに対し、米バイオ医薬品大手バイオジェン・アイデック<BIIB>が日本の同業大手エーザイ<4523.T>と共同開発した認知症(アルツハイマー病)治療薬候補「アデュカヌマブ(ADUCANUMAB)」(医薬品名はアデュヘルム)が6月初め、FDAから新薬として認可された問題で、認可それ自体は容認できるとした一方、認可の過程(手続き)は不適切だったことを認めた。STATと米経済専門チャンネルCNBCが伝えた。

 FDAが6月7日に同薬を認可した際、同薬に添付されるラベルには治験の対象外となった患者にも幅広く使用できるように記載されていた。しかし、一部のFDA幹部はこうした幅広い患者への使用を可能にするラベルを付けて認可したことに驚いたという。同薬の認可に対する批判が高まる中、1カ月後の7月8日、FDAはラベルを初期の軽度認知障害(MCI)か、または中等度アルツハイマー型認知症患者への使用に限定するよう書き換えている。

 このラベルの書き換えについて、ウッドコック長官代行は、神経変性疾患向けの医薬品のラベルが広範囲となっているのは普通だ、と指摘した上で、バイオジェンの医薬品については、「同薬を巡ってあまり批判が出ないようなやり方で扱われることは可能だった」と述べ、従来とは異なる手続きが必要だったとの認識を示し、認可の過程が不適切だったとしている。

 ただ、同薬がファストトラック(優先審査制度)による迅速審査により、認可を受けたこと自体については、同長官代行は、「迅速な認可はかなりしっかりした根拠に基づいている。いずれ迅速な認可が認知症患者にとって正しい決定であり、適切だったと人々が理解してくれると信じている」とし、FDAによる認可を擁護した。

 同長官代行は9日にツイッターで、バイオジェンの新薬の認可過程が適切だったかどうかについて、保健福祉省の監督部門である監察総監室(OIG)に調査を要請する書簡を送ったことを明らかにしていた。書簡では、「バイオジェンとFDAとの間にどんな交流があり、それはFDAの政策方針や手続きに従ったものかどうか審査するため、OIGのような独立した調査機関によって認可過程が調査されることは大事なことだと考える」としている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

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提供:モーニングスター社

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