<新興国eye>前週の上海総合指数、教育・不動産業界への規制強化で4週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2021/8/2 9:56

 前週(7月26-30日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の30日終値が23日終値比4.31%安の3397.357となり、4週ぶりに反落した。

 週明け7月26日の指数は売り優勢で始まり、28日まで4営業日続落した。

 26日は、中国当局による国内IT企業や教育産業、不動産業界への規制強化が懸念された。中国国務院(内閣に相当)は学習塾を非営利団体として登録し、新たな学習塾の設立禁止を決めたほか、中国住宅都市農村建設省も不動産市場の違法活動の一掃方針を明らかにした。中国人民銀行(中銀)も上海の金融機関に対し、新規住宅取得者への住宅ローン金利の引き上げを指示。また、中国外交部の謝鋒副部長と米国のシャーマン国務副長官の会談で米中対立が表面化したことも地合いを悪化させた。

 27日は、中国各地でデルタ株感染拡大が広がっていることや、国内企業への規制強化が引き続き嫌気された。国際金融協会(IIF)によると、規制強化により、中国市場から26億ドルの投資資金が流出したとみられている。

 28日は、IMF(国際通貨基金)が中国の21年成長率見通しを8.4%増から8.1%増に下方修正したことや、デルタ株感染拡大で27日時点の新規感染者数が年初来で最多となったことが嫌気された。

 29日は反発。中国証券監督管理委員会が教育産業への規制強化が投資家離れを起こしていることを重く見て、大手投資銀行の幹部とオンラインで会談し、他の業界に悪影響は広がらないとの見通しを示したことから買い戻しが入った。

 週末30日は反落した。当局による国内企業への規制強化への警戒感が再び強まったことや、国内でデルタ株の感染が拡大したため、売りに転じた。

 今週(2-6日)の株式市場は、引き続き、米中関係や国内外のデルタ型変異ウイルス感染拡大とワクチン接種の動向、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では政策引き締めの動きや人民元相場、原油などのコモディティ相場などが注目される。主な経済指標の発表予定は2日の7月財新製造業PMI(購買担当者景気指数)や4日の7月財新サービス業PMIなど。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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