異業種提携で成長加速へ―リソー教育の意気込み(2)

株式

2021/8/3 9:00

 学習塾大手のリソー教育<4714.T>は主力の個別指導受験塾「TOMAS(トーマス)」を中心に、大幅な生徒数の増加ペースを維持している。モーニングスターのインタビューで同社の平野滋紀社長は、異業種提携による新たな成長ビジョンへの意気込みを語った。

<GIGAスクールでは300校ターゲットに>

 学校におけるIT環境を整備する政府の「GIGAスクール構想」に絡んでは、KDDIまとめてオフィスとのタッグで需要を取り込む。ハード面をKDDIまとめてオフィスが担い、ソフト面では学校内個別指導のスクールTOMASを設置することで進学実績の向上を支援。学校でのITを活用した教務運用までを引き受ける。既に両社が顧客とする学校の相互紹介も進め、「既存契約校とこれからの新規契約含めて約300校をターゲットとしている」(平野社長)。

 また、リソー教育はヒューリック、コナミスポーツとは3社提携にも踏み切った。3社一体で幼児教育業界の市場開拓と再編成を図る。そうした中で開業を目指す「こどもでぱーと」は、教育サービスのほかスポーツ、クリニック、カフェなど様々なサービスが受けられる教育特化型ビル。リソー教育は、長時間型英才託児の「伸芽’Sクラブ託児」から伸芽’Sクラブ学童、TOMAS、さらには医学部受験専門塾やマンツーマン英語スクールまで幅広く提供。各ブランドを集めることで、子供が1歳から長く通える施設づくり貢献する。

<プライム市場適合>

 こどもでぱーとは保護者にとっても、塾や習い事などの送り迎えを一本化できるメリットがあり、潜在需要は大きい。現在3社で場所の選定や導入サービスなどの協議を重ねており、22年に第1棟をオープンする見通し。29年までに首都圏で20棟の展開を目指す。

 リソー教育は24年2月期に売上高355億円、経常利益37億円を計画する。学習塾をはじめとする教育サービスの生徒数拡大に加え、より長期的には異業種との業務提携による新事業の本格化による成長加速も期待される。また、22年4月にスタートする東証の新市場区分においては、最上位のプライム市場への適合の結果を受けている。

提供:モーニングスター社

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