インパクト「『店舗DB』でさらなる飛躍へ」=福井康夫社長に聞く

株式

2021/8/16 10:03

 インパクトホールディングス<6067.T>はデジタルサイネージをはじめ、ラウンダー、覆面調査、販促ツール・ノベルティなど、流通小売店舗向け販売促進の支援サービスを展開している。コロナ禍で販促の需要が拡大する中、新ツール「店舗データベース(店舗DB)」を軸としたサービス展開を推進し、さらなる飛躍が期待される。同社の現状と今後について福井康夫社長に聞いた。

 ――21年12月期の上期決算は連結売上高59億7600万円(前年同期比30.0%増)、営業利益6億8200万円(同2.2倍)で、ともに上期としては過去最高を更新しました。コロナ禍の中で業績好調の理由は何ですか。

 「コロナで販売員派遣などの需要は落ち込みましたが、逆に需要の高まった事業へ経営資源(人・モノ・資金)を集中させ、事業成長、販管費圧縮を図りました。中でも、AI(人工知能)機能を搭載した『店舗データベース(店舗DB)』を本格投入したことが大きな効果を上げています。『店舗DB』で当社サービスの付加価値が高まり、案件受注率、収益率が向上し、それが売上高、営業利益の過去最高の更新につながりました」

 ――「店舗DB」とは、どんなサービスですか。

 「当社には2004年の創業から一元管理している、累計700万件を超える店舗の売場、販促活動に関する定量・定性データがあります。『店舗DB』はそれに、人口推計、人口動態、産業構造、労働力調査、有効求人倍率、商業統計調査などのオープンデータおよびリアルタイムの出店・閉店など店舗情報を組み合わせ、AIを使って無数の切り口を自動作成、切り口の優先順位付けを実施し、効率のよい販促施策の企画・立案を行います。機械学習で施策の改善効果の試算もできるため、顧客は効果の高い施策に注力することが可能になります。販促用のツール、ノベルティも必要なものが明確になり、無駄を省ける点もメリットです」

 ――「店舗DB」は短期間で大きな成果を上げています。今後はどのように展開していきますか。

 「現状で『店舗DB』の利用企業は72社ですが、当社グループの取引社数は1500社です。『店舗DB』利用企業には大きな開拓余地があり、今後も利用企業の増加に努めます。また、現在は『店舗DB』を無償で提供し、それを基に効果的な販促企画を立案し、デジタルサイネージ、ラウンダー、イベントなど、当社の他サービスを利用していただくことで収益につなげていますが、ゆくゆくは有料化など『店舗DB』自体による収益獲得も考えています」

 「一方、グループ会社を再編し、8月30日付で新会社「impact connect」を設立します。『店舗DB』を最大限に活用し、店頭販促の企画立案から店頭実現までをグループ内でワンストップで行う会社で、実店舗だけでなく、Eコマース(電子商取引)なども含めた幅広い販促支援を手掛けていきます。そのため、M&A(企業の合併・買収)なども視野に入れています」

 ――将来のビジョンを教えてください。

 「『店舗DB』の強化とともに、より一層の利用拡大を推進します。利用企業が増え、蓄積するデータがさらに増えれば、『店舗DB』の利用価値はさらに高まり、利用企業数もより増えることが期待できるでしょう。また、『店舗DB』を軸とした事業展開を推進することにより、今後、計画以上の売上拡大、利益率向上もありそうです。当社は中期経営計画で23年12月期の売上高180億円(今期予想130億円)、営業利益20億円(同16億円)を目標としていますが、前倒しで達成する可能性があるでしょう。営業利益率20%以上も目標にしています」

提供:モーニングスター社

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