<新興国eye>前週の上海総合指数、政府のIT企業規制強化や景気減速懸念で反落=BRICs市況
2021/8/23 10:17
前週(16-20日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の20日終値が13日終値比2.53%安の3427.334となり、反落した。
週明け16日の指数は小反発して始まった。7月鉱工業生産と7月小売売上高が市場予想を下回ったものの、政府による景気支援への期待感が高まった。
17日は急反落。中国や米国、アジア・太平洋地域でのデルタ株感染拡大による景気減速懸念に加え、全国人民代表大会(全人代)常務委員会で企業への規制強化方針が打ち出されるとの思惑で売りが広がった。国家市場監督管理総局はインターネット企業による不正競争を禁止する規制案を公表した。
18日は反発。政府の中央金融経済委員会が経済成長を持続させるため、金融リスクを抑制する意向を表明したことを受けて金融株が買われたほか、中国人民銀行(中銀)が10月以降に預金準備率を引き下げ、景気刺激に動くとの観測も支援材料となった。
19日は反落し、週末20日も値を下げ、続落した。
19日は、コモディティー(国際相場商品)相場の下落を受け、資源・エネルギー関連株が売られたほか、香港市場で中国インターネット大手アリババグループ<BABA>が急落し、過去最安値を付けたことを受けて、国内景気の悪化懸念が強まり、売り優勢となった。
20日は、政府のIT企業への規制強化や景気減速懸念で売りが広がったほか、中国本土市場でもヘルスケア株が次の政府の規制対象になるとの見方が広がり、指数の下げを主導。また、香港市場でアリババが上場来安値で引けたことも嫌気売りを誘った。
今週(23-27日)の株式市場は、引き続き、米中関係や国内外のデルタ株感染拡大とワクチン接種の動向、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では政策引き締めの動きや人民元相場、原油などのコモディティー相場などが注目される。主な経済指標の発表予定は27日の7月工業利益など。
<関連銘柄>
上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、
H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、
南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>
提供:モーニングスター社
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