<新興国eye>前週のインド株、政府の景気支援策や中銀の金利据え置き観測で反発=BRICs市況

新興国

2021/8/30 10:01

 前週(23-27日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の27日終値は前日比0.31%高の5万6124.72、週間ベースでは20日終値比1.44%高となり、反発した。

 週明23日の指数は反発して始まり、24日も値を上げ、続伸。

 23日は、7月の消費者信頼感指数が前月比10.7%上昇の53.1に回復したことや、インフレ加速懸念の中でインド準備銀行(RBI)の次回10月会合で政策金利を据え置くとの観測が広がった。IT株や複合企業大手リライアンス・インダストリーズ、さらには医薬品大手カディラ・ヘルスケアが自社開発した新型コロナワクチンの緊急使用が許可されたことを受けて大きく買われ、指数の上げを主導した。

 24日は、政府が今後4年間で810億ドル相当の国有資産を活用し、インフラ投資を支援する計画を発表したことが好感されたほか、金融大手バジャジ・フィンサーブが当局からミューチュアルファンド(オープン型投資信託)設定の承認を受けたことなどが買い材料となった。

 25日は小反落し、26日は小反発。

 25日は、マルチ・スズキ・インドや時計大手タイタンなどに利益確定売りが出て、指数を押し下げた。

 26日は、6月の主要産業の雇用回復に加え、政府が自動車産業の減税や今後4年間で高速道路などインフラ整備を加速させる計画を発表したことが好感され、買い戻しが広がった。

 週末27日も値を上げ、続伸した。格安航空会社スパイスジェットが航空当局から米ボーイング製「737MAX」の運航再開が許可されことを受けて急伸したほか、複合企業大手ラーセン&トゥブロ(L&T)が目標株価の引き上げで急伸し、指数の上げを主導した。

 今週(8月30日-9月3日)のインド市場は、デルタ株感染拡大やワクチン接種の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向、米中関係、原油価格の動向、インド国内の景気動向、主要企業の四半期決算などが注目される。主な経済指標の発表予定は31日の4-6月期GDP(国内総生産)や1日の8月日経製造業PMI(購買担当者景気指数)、3日の8月日経サービス業PMIなど。

<関連銘柄>

 上場インド<1549.T>、インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、

 インドベア<2047.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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