<新興国eye>ロシア中銀、政策金利を0.25ポイント引き上げ―追加利上げを示唆

新興国

2021/9/13 10:33

 ロシア中央銀行は10日の理事会で、主要政策金利である資金供給のための1週間物入札レポ金利と資金吸収のための1週間物入札預金金利をいずれも0.25ポイント引き上げ、6.75%とすることを決めた。前回7月会合の1.00ポイントの大幅利上げから利上げ幅を縮小。市場予想は0.50ポイント利上げだっただけに、サプライズとなった。

 中銀は3月会合で18年12月以来2年3カ月ぶりに利上げを再開し、これで5会合連続の利上げとなる。利上げ幅は計2.50ポイントに達した。

 中銀は会合後に発表した声明文で、追加利上げを決めたことについて、前回7月会合時と同様、「ロシア経済は4-6月期にパンデミック前の水準に達し、インフレを持続的に押し上げる要因が強まった。インフレ期待が高まっていることを考慮すると、インフレ見通しに対するリスクは、相当程度、インフレ率が上ブレるリスクにシフトしており、長期的に物価目標から上ブレ方向でカイ離する可能性がある」と、懸念を示した上で、「主要政策金利はこうしたインフレ上ブレリスクを抑制し、インフレ率を4%上昇(物価目標)に戻すことを目指す」とした。

 インフレ見通しについては、「10-12月期からインフレ率が減速し始め、22年には4-4.5%上昇、それ以降は物価目標に近い水準で推移する」と予想している。同国の8月のインフレ率は前年比6.68%上昇と、7月の6.46%上昇から加速しており、9月6日時点でも6.74%上昇と、物価目標を大きくオーバーシュートしている。この背景について、中銀は、「外国人労働者の流入規制のため、多くの産業で雇用需要が増大し、労働者不足が起きており、労働市場からのインフレ上昇圧力が強まっている」としている。

 景気見通しについては、「7-9月期GDP(国際総生産)は前期(4-6月期)からやや伸びが鈍化するが、拡大が続く」と予想している。

 今後の金融政策については、「今後、経済予測通りに進めば、われわれは次回10月以降の会合でさらなる政策金利の引き上げを行う可能性についてオープンな姿勢を維持する」とし、追加利上げの可能性を示唆。政策金利の決定については、「物価目標の達成との関係で、実際のインフレ率とインフレ見通しの動向や金融政策が波及する一定の期間内での経済成長、金融市場の状況、国内外のリスク要因を考慮して決める」と前回会合時と同様のスタンスを示している。

 次回の金融政策決定会合は10月22日に開かれる予定。

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