<新興国eye>カンボジア証券取引所の中小企業向け市場に、初のIPO企業が誕生

新興国

2021/9/17 12:12

 9月6日、カンボジア証券取引所(CSX)の中小企業向け市場「成長市場(Growth Board)」に初のIPO(新規株式公開)となるDBDエンジニアリング社(DBD Engineering Plc.)が上場し、取引を開始しました。「成長市場」は、中小企業振興のためにカンボジア証券取引場が開設した市場で、メイン市場よりも緩和された条件で上場することが可能です。

 初日の取引では、1株当たりの公募価格(2380リエル:約64円)を2.9%上回る2450リエルの初値を付け、終値は2440リエルでした。2日目以降の取引でも、株価は小動きとなっています。なお、上場前に実施された公募では、公募対象の全株の販売が完了しており、IPOはまずまずの成功だったと見られます。今回の主幹事は、SBIロイヤル証券でした。

 DBDエンジニアリング社は、カンボジアで20年以上の事業実績を有し、機械・電気・配管・建設等の工事の有力企業の一つです。イオンモール、チップモンモール、カルメット病院等の建設工事に参加した実績があり、20年の売上は1352万ドル(約14億7000万円)で、社員数は約700名とのことです。IPO株式数は500万株で、IPO価格は2380リエル(約0.6ドル)、調達額は384.5万ドル(約4億2000万円)でした。配当利回りについては、当初3年間は5.5%を保証するとしています。

 カンボジア証券市場は、20年以降は新型コロナの影響もあって沈滞した状況が続きましたが、市場参加者は20年春のACLEDA銀行の上場もあって、増加しているものと見られます。新規上場により上場企業数が増加していくことは、市場の活性化にも効果があるものと期待されます。また、中小企業のIPOの成功は、カンボジアの中小企業に対し直接金融へのアクセスという新たな道を示す効果もあり、カンボジア政府が目指す地場の中小企業の振興にもつながるものと期待されます。

【筆者:鈴木博】

1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社

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