来週の日本株の読み筋=相場の落ち着きを待つ、下値に移動平均線並び正念場に
来週(4-8日)の東京株式市場では、相場の落ち着きを待ちたいところだ。1日の日経平均株価は大幅に5日続落し、2万8771円(前日比681円安)引けとなり、心理的なフシ目となる2万9000円を1カ月ぶりに割り込んだ。米連邦政府の債務上限問題などが懸念され、9月30日の米国株式が下落し、時間外取引での米株価指数先物安も投資家心理の悪化につながった。チャート上では、下値に26週線(2万8736円)、200日線(2万8669円)、75日線(2万8624円)、13週線(2万8481円)など移動平均線が幾重にも並び、正念場を迎えつつある。
米国の債務上限問題はもとより、中国経済に暗雲が漂い、半導体不足に代表される世界的なサプライチェーンへの不安、インフレなど悪材料は枚挙にいとまがない。加えて、総裁選直後から続々と報じられている自民党・新内閣の人事の内容が、再び政治リスクを招いている。4日に次期首相に指名される岸田文雄新総裁は、新たな党執行部の体制と新内閣の人選を固めつつあるが、これまでのところ安倍・菅政権と代わり映えがせず、海外勢の期待は早くもしぼんだもようだ。
もっとも、こうした人事への失望売りは、あくまで心理的な動きだ。投機筋による売り仕掛けのきっかけになった感もあり、相場の下げに拍車を掛けた格好。また、米債務上限の問題にしても政争の具にすぎず、米国債のデフォルト(債務不履行)という最悪の事態は考えにくい。中国経済やサプライチェーンといったほかの懸念材料も、株安故の敏感な反応とみてとれる。
9月の日経平均は前月比で1363円(4.9%)上昇した。経験則では、9月の株高は10-12月の好パフォーマンスにつながりやすい。サプライチェーン問題がもたらす企業業績への逆風も、一定程度織り込まれた可能性がある。このため、今月下旬から発表が本格化する7-9月決算は、期待値が下がった分だけ見直しの余地が出てきそうだ。
なお、スケジュール面では、国内で7日に8月景気動向指数、8日に8月家計調査、9月景気ウオッチャー調査が発表される。海外では米国で5日に9月ISM非製造業景況指数、6日に9月ADP雇用統計、8日に9月雇用統計。ノーベル賞の発表は4日の生理学・医学賞から。
提供:モーニングスター社
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