明日の日本株の読み筋=不安定な相場付きか、不透明要因多くチャートは悪化

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株式

2021/10/4 16:21

 あす5日の東京株式市場は、不安定な相場付きか。4日の日経平均株価は大幅に6営業日続落し、2万8444円(前週末比326円安)引け。米製薬大手のメルクが開発中の新型コロナウイルス治療薬への期待感を背景に1日の米国株式が上昇した流れを受け、寄り付き直後に上げ幅は270円を超えたが、その後は失速した。時間外取引で米株価指数先物がいったん下げに転じ、香港株式市場では経営不安が懸念される不動産大手、中国恒大集団と傘下の不動産企業の株取引が一時停止され、ハンセン指数が急落。中国恒大問題が改めて警戒され、下げ幅は一時420円を超えた。

 この問題に関しては、「いずれ中国政府が何らかの形で処理するとみられ、悲観しすぎる必要はないだろう」(中堅証券)との声が聞かれるが、依然リスクとして残ったままだ。中国リスクはもとより、米国の債務上限問題や、半導体不足に代表される世界的なサプライチェーンへの不安、インフレなど不透明要因は多く、買い進めにくい面がある。きょう発足の岸田新内閣についても構造改革などヘの期待が薄れ海外投資家の売りにつながっているとの読みも出ている。

 むろん、日経平均は6連敗で合計1800円超の下落を演じたことで、外部要因が落ち着けば、リバウンド狙いの買いが入りやすい面もある。ただ、この日は、75日・200日や13週・26週の各移動平均線を相次いで下抜け、チャートは悪化。「次は52週線(2万8063円39銭)が意識される段階だ」(準大手証券)との指摘も出ている。

提供:モーニングスター社

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