<新興国eye>トルコ8月失業率は12.1%―前月から横ばい

新興国

2021/10/14 14:39

 トルコ統計局が11日発表した8月の失業率(季節調整後、15歳以上)は12.1%と、7月と変わらなかった。

 12.1%の水準は21年内で2番目に低い数値で、パンデミック中の20年8月の13%やパンデミック前の19年8月の14.1%を大きく下回っている。背景には感染急拡大を受け、4月15日から5月17日まで全国ロックダウン(都市封鎖)に入ったが、ロックダウン解除後の5月中旬以降は観光業やカフェ・レストランでの雇用が急回復していることがある。

 失業率全体のうち、非農業部門の失業率は14.2%と、7月の14%を上回り、2カ月連続で上昇した。しかし、これも今年に入って3番目に低い数字で、パンデミック中の20年8月の15.2%やパンデミック前の19年8月の16.5%を大きく下回っている。

 年代別では15-24歳の若年層の失業率が22.7%と依然高い水準ではあるものの、7月の22.8%や1年前の24.7%を下回った。

 また、失業者数(15歳以上)は前月比1万1000人増の396万5000人と、やや増加したが、前年同月比では6万1000人減と、改善が続いている。一方、雇用者数は前月比1万4000人減の2870万6000人と、3カ月ぶりに減少した。雇用率は45%と、7月の45.1%をやや下回った。

 セクター別雇用者数は、サービス業が全体の55%を占めて最も高く、次いで製造業の21.5%、農業の17.2%、建設業の6.3%。

 労働市場参加率は51.2%と、7月の51.3%をやや下回ったが、前年同月の49.2%を2ポイント上回った。

 パンデミック中の失業者数は20年初め以降、一時帰休者への給与支援制度を開始し、今年3月に期限切れとなったあとも6月末まで3カ月間延長したことから増加が抑えられていた。しかし、7月以降は同制度が期限切れとなり、レイオフ(一時解雇)禁止措置も解除されるほか、企業も雇用の現状維持を続けるため、市場では失業者数は拡大すると予想している。

 政府が9月6日に発表した22-24年の新中期3カ年経済計画では、21年末時点の失業率の見通しを12.6%と予想している。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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