<新興国eye>前週の上海総合指数、人民元高や中銀の流動性潤沢供給を好感し反発=BRICs市況

新興国

2021/10/25 9:15

 前週(18-22日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の22日終値が、15日終値比0.29%高の3582.604となり、反発した。

 週明け18日の指数は反落して始まった。中国7-9月期GDP(国内総生産)が市場予想を下回ったことが嫌気された。

 19日は大幅反発。中国人民銀行(中銀)が人民元レートの対米ドル基準値を3日連続で元高方向に設定し、上海外為市場でも人民元が約4カ月ぶり高水準に上昇したことが好感されたほか、中国恒大集団傘下の恒大地産集団がオンショア債の利払いを実施したことも支援材料となった。

 20日は反落。国家発展改革委員会が石炭価格の急上昇を理由に価格介入の可能性を示唆したことを受け、石炭など資源セクターが売られたほか、中国恒大集団の債務問題の先行き不透明感で不動産セクターも売られ、指数の下げを主導した。市場では人民銀がローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)を含む政策金利の引き下げが近いとの観測が強まった。

 21日は反発。人民銀がリバースレポ取引を通じ、ネットで900億人民元の流動性を2日連続で供給したことが好感され、値を下げていた不動産と石炭セクターも買い戻され、指数の上げを主導した。

 週末22日は反落。中国恒大傘下の恒大物業集団の過半数株式の売却交渉が中断したことが嫌気され、売り優勢となった。

 今週(25-29日)の株式市場は、引き続き、米中関係や国内外のデルタ株感染状況、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では中国恒大の債務問題や電力供給不足問題、景気対策、人民元相場、原油などのコモディティー相場などが注目される。主な経済指標の発表予定は27日の9月工業利益など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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