<新興国eye>前週の上海総合指数、石炭価格規制、感染再拡大を嫌気し、続落=BRICs市況

新興国

2021/11/8 10:31

 前週(1-5日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の5日終値が10月29日終値比1.57%安の3491.568となり、続落した。

 週明け1日の指数は反落して始まり、3日まで3営業日続落した。

 1日は、前日の国家統計局発表による10月製造業PMI(購買担当者景気指数)が市場予想を下回り、売り優勢となった。

 2日は、不動産大手の陽光城集団(ヤンゴー・グループ)の信用格付けが引き下げられたことを受け、不動産セクターが大きく売られ、指数の下げを主導した。

 3日は、新型コロナの新規感染者数が1日で109人と、約3カ月ぶりに100人台に急増し、移動制限地域が広がったほか、李克強首相が中国経済に下ブレリスクが強まっていると警告したことが嫌気された。

 4日は反発。前日までの下げ相場が一服し買い戻しが入ったほか、自動車大手BYD(比亜迪)が1-10月の新エネルギー車の販売台数が前年比3.1倍と、急増したことが好感され大幅高となったことが、指数のサポート材料になった。

 週末5日は、中国政府が石炭価格の抑制措置を発表したほか、不動産開発大手の佳兆業集団が「理財商品」と呼ばれる金融投資商品の支払いを実行できなかったことが嫌気され、石炭株、不動産株が急落し、指数は大幅反落した。

 今週(8-12日)の株式市場は、引き続き、米中関係や国内外のデルタ株感染状況、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では中国恒大の債務問題や電力供給不足問題、景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティ相場、8日の中国共産党中央委員会第6回総会(6中総会)などが注目される。主な経済指標の発表予定は7日の10月貿易収支や10日の10月CPI(消費者物価指数)と10月PPI(生産者物価指数)など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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