ランディックス「不動産取引効率化で高い利益率を実現」=岡田和也社長に聞く(1)

株式

2021/11/16 10:40

 ランディックス<2981.T>は富裕層を対象に、住宅用物件を中心とした不動産事業を行っている。東京の城南エリア(世田谷区、目黒区、大田区、渋谷区、港区、品川区)を中心として、注文建築事業者と消費者のマッチングプラットホーム運営、不動産の売買・仲介、既存顧客へ向けた収益用不動産の販売を含めた一気通貫サービスを展開する。顧客データの蓄積・活用で、不動産取引の効率化を図っており、高い在庫回転および利益率を実現している点が特徴。同社の現状と今後について岡田和也社長に聞いた。

 ――今2022年3月期の第2四半期累計決算は連結売上高51.6億円(前期比54.0%増)、営業利益10.0億円(同6.3倍)でした。売上高、利益とも大きく伸び、第2四半期累計としては過去最高の売上高、利益を達成しました。

 「当社は富裕層の取引に関する顧客データを蓄積しており、それを有効に活用することで、お客様に対し適切な仕入れ価格を提示し、タイミング良く販売アプローチをすることができます。そのため、仕入れから販売までの土地平均保有期間は約3.5カ月で、効率的な在庫の回転を実現しています。今期は販売が予定通り進捗するとともに、棚卸在庫の積み増しが順調に進み、目線としては来期の販売計画実行を視野に入れたフェーズに入っています」

 「また、当社では営業効率の定点観測として、従業員1人当たりの稼ぐ力を経営指標の一つとしており、第2四半期累計の段階で1人当たり連結営業利益が1501万円となり、従業員規模の拡大と並行して高い水準を維持しています(不動産セクターのマザーズ企業の平均は通年で1036万円)。また、富裕層向け収益用不動産事業が本格化し、既存事業とのシナジーを発揮できたことも収益拡大につながっています」

 ――事業の特色について教えてください。

 「当社は住宅に特化した不動産事業を展開していますが、事業意義の一つとして、『注文住宅をより一般的で普通な住まいの形にする』というものがあります。従来、注文住宅は建売住宅よりずっと高価であり、かつ中古戸建やマンションと比べれば、労力や検討レベルの面からもはるかに取り組みにくいものでした。こうした問題に対して、当社が創業以来培ったノウハウをより広く提供することで注文住宅のマーケット自体を広げ、お客様のパーソナルレベルで住まいの質を向上させていくことができます」

 ――「sumuzu Matching」について具体的に教えてください。

 「機能としては、プラットホーム上で建築コンペを組成し、気に入った複数の建築事業者から図面や見積を取得、住宅ローンサポートなど一気通貫で利用できるプラットホームです。また、お客様が当社の営業担当者と直接コンタクトしなくても、見ただけで購入可否の意思決定ができるほどの詳細な情報をWebプラットホームに掲載していることから、実際に『sumuzu Matching』を見たお客様は早い段階から購入意思を示し、問い合わせから非常に迅速に成約に至るケースが多いです」

 「すべてがオンラインで完結するため、ユーザーは住宅展示場やモデルハウスまで足を運ぶ煩わしさがない上、デザイン性の高い注文住宅を従来にないコストパフォーマンスで実現できるというメリットもあります。建築事業者としても、購入意欲のある顧客との接触機会が増えるほか、これまで注文住宅のターゲットにならなかった層へのアプローチも可能になる上、大幅な広告費の削減が期待できるという大きなコストメリットがあります」(2)へつづく

提供:モーニングスター社

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