<新興国eye>チェコ中銀、予想上回る1.00ポイントの大幅利上げ―追加利上げを示唆

新興国

2021/12/23 13:52

 チェコ国立銀行(中央銀行)は22日の金融政策決定会合で、インフレ加速を抑制するため、政策金利の2週間物レポ金利を1.00ポイント引き上げ、3.75%とすることを5対2の賛成多数で決めた。市場では0.75ポイントの利上げを予想していたため、1.00ポイントの利上げはサプライズとなった。新金利は23日から適用される。

 中銀は最近のインフレ加速を受け、6月会合で20年2月以来、1年4カ月ぶりに利上げ(0.25ポイント)を再開し、8月会合でも0.25ポイント、前回9月会合で0.75ポイント引き上げておりこれで利上げは5会合連続となった。6月以降の利上げ幅は計3.50ポイントに達した。

 前回11月会合時と同様、今回の会合でも2委員が据え置きを主張し、利上げに反対票を投じた。

 中銀は追加利上げを決めたことについて、「11月CPI(消費者物価指数)はコアインフレ率が急加速したため、11月経済予測を約1ポイント上回り、2%上昇の物価目標の許容範囲の上限をはるかに上回った」とした上で、「秋の経済予測に対するリスクと不確実性が全体的に著しく、インフレ加速の傾向にある。従って、現在の予測と比較してより迅速な金融引き締めが必要と判断した」としている。11月のインフレ率は前年比6%上昇と、13年ぶりの高水準となった。

 また、声明文で、「通貨コルナ安が国内のインフレを加速させる、もう一つのリスクになる」とし、「このような状況の中で、中銀は政策金利をさらに大幅に引き上げることを決めた」と利上げによるコルナ安阻止の狙いがあると述べている。

 インフレの見通しについては、「11月経済予測によると、インフレ率(全体指数)は現在の高水準からさらに上昇し、今後数四半期の物価目標の許容範囲の上限をはるかに上回る」とした。ただ、中期的には、「インフレ率は来年中に減速し始め、金融政策のタイム・ホライズン(時間軸)にわたり、つまり、22年後半から23年初頭にかけ、大幅な金融引き締めの効果により、物価目標の2%上昇近くまで低下する」と予想している。

 今後の金融政策の見通しについては前回会合時と同様、「企業や家計部門のインフレ期待はインフレの急上昇に直面しており、インフレ期待が物価目標の2%上昇を著しくオーバーシュートすることは容認しない」とした上で、今回の最新の経済予測に沿って、利上げを継続する用意がある」とし、今後もインフレ加速が続く場合、追加利上げの可能性を示唆した。

 次回の会合は22年2月3日に開かれる予定。

<関連銘柄>

 上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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