昭和電工、半導体材料の最適な配合探索時間を短縮

株式

2022/2/14 15:50

 昭和電工<4004.T>は前週10日、半導体材料の最適な配合探索にかかる時間を、量子コンピューティング技術を活用し、従来の数十年以上から数十秒に大幅に高速化可能であることを実証したと発表した。

 半導体材料には樹脂やフィラー、添加剤など多数の材料をさまざまな比率で配合しており、それらの種類と量の配合を最適化することにより高性能化を図る。ただ、同社が取り組んでいる開発テーマの配合の組み合わせは、従来のAI(人工知能)技術を用いて探索した場合、最適な性能の提示を得るには数十年以上必要だった。

 探索に要する時間の短縮のため、同社は富士通<6702.T>の高速情報処理技術である量子インスパイアード技術「デジタルアニーラ」に注目。材料の複雑な配合条件から半導体材料の特性を予測できる独自開発したAIモデルを、イジングモデルで表現することに成功した。それにより同社のAIモデルと「デジタルアニーラ」との連携を実現し、配合の種類と量を限定した条件下で探索を行う従来のAIモデルのみを活用した場合と比較し、探索時間を約7万2000分の1の、数十秒に短縮でき、かつ半導体材料として約30%高い性能を実現する配合を得ることができたという。

 14日の終値は、前週末比172円安の2298円。

提供:モーニングスター社

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