<飛翔期待のお宝株>JUKIは為替感応度に注目、トリプルバガーの上昇余地を期待

株式

2022/3/24 17:00

 中国経済が減速する懸念から年初以来、機械株が売られてきたが、下げ過ぎの反動が足元では強まっている。オークマ<6103.T>、牧野フライス製作所<6135.T>、DMG森精機<6141.T>、ツガミ<6101.T>、JUKI<6440.T>など、同じようなチャート形状をしているものが多い。

 2月の工作機械受注(確報値)は受注総額が前年同月比で31.6%増の1390億円となり、16カ月連続で前年を上回った。内需も外需も好調で、市場のピークアウト懸念は杞憂(きゆう)だった。その上、中国は秋に5年に1度の中国共産党大会が控えるため、これから景気の下支え策に注力していかざるを得ない。

 機械株の中でも、業績変化率が大きいと予想されるのが、工業用ミシン世界最大手のJUKIだ。

 同社の今12月期の連結経常利益の予想は50億円(前期比45.4%増)だが、この数字は相当保守的と思われる。なぜなら、同社は想定為替レートを1ドル=105円に設定し、121円を付けた時価との差が大きいためだ。

 海外売上比率の大きいJUKIの為替感応度(1円円安ごとの利益の押し上げ額)は、経常利益ベースで3億円弱。年平均120円で推移したとすると単純計算で、40億円以上の経常増益要因だ。

 日米の金融政策の差異によって、円安が125円や130円まで進むという予想が増えている中で、JUKIの円安メリットはさらに拡大する可能性がある。おまけに、近年の構造改革やコスト削減策が奏功し、利益率も上昇傾向にある。

 株価は昨年11月25日の高値1057円から今年3月8日の安値585円まで調整し、現在は740円前後。PER6.8倍、PBR(株価純資産倍率)0.6倍、配当利回り4.2%の出遅れのバリュー(割安)株に該当する。早晩、昨年の高値を更新し、今年は2000円を超える展開がみられるかもしれない。

提供:モーニングスター社

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