(再送)フォーカスシステムズ、安定と成長の源泉を聞く(1)

株式

2022/3/31 11:07

 フォーカスシステムズ(フォーカス)<4662.T>は独立系のSI(システムインテグレーター)として知られる。公共向けや、通信、情報セキュリティーなどの分野で、ビジネスパートナーとともにシステム構築やソフトウエア開発を手掛けている。IT系企業の好調が目立つ中で、同社の安定と成長の源泉について、代表取締役社長の森啓一氏に聞いた。

――フォーカスの事業内容を教えてください。

 「公共向けではエヌ・ティ・ティ・データ<9613>、民間企業向けでは日本アイ・ビー・エムなどが大企業から受注したインフラ設計などの案件に対して、二次請けとして業務を請け負っているほか、直接受注する一次請け案件を含めて、システム構築などを担っています。二次請けと言っても、実際には一次請け企業とはビジネスパートナー的な位置付けとなり、各プロジェクトに深く関わっているケースが多いです」

 「顧客企業に人材が常駐し、開発案件などを長期で手掛けるため、中には数十年単位での付き合いもあります。当社は公共向けでスタートし、実績を積み重ね技術力が蓄積できたことで、その後の民間向けに乗り出す際にも堅実性や安定性をアピールできました。高度なノウハウを持ち、開発案件の中枢を担っているため、『フォーカスの人材がいないと成立しない』ケースも多く、顧客企業やビジネスパートナーから重宝される地位を確立しています」

――旺盛なDX需要を反映し、御社の業績も好調に推移しています。

 「今期は単体売上高245億円。(前期比4.3%増)、営業利益14.8億円(同2.1%増)で、過去最高を更新する計画です。民間企業や公共関連のシステム投資需要は高水準で推移しており、安定的な成長につながっています」

――独立系SIとして苦労している点や、競合との差別化などで取り組んでいる点はありますか?

 「親会社などの意向に縛られずに事業展開できるのはメリットですが、その分、ゼロから営業をしなければいけないのは大変です。ただし、長年にわたりNTTデータなどと組んで高い要求に応え、仕事をこなす。その実績とノウハウを生かして新たなクライアントにも当社の強みをアピールしています。大手取引先の紹介で新たなクライアントを得るケースもあります」

――競合他社との差別化戦略はどのようにされていますか。

 「公共系では特に高いノウハウがあり、20年30年と長く携わっているスペシャリストも多く抱えています。そのほか、日本IBMとのビジネスパートナーとしてはスキルでも人数面でも日本で数本の指に入るクラスの信頼と技術力を構築しており、他社の追随を許さない側面もあります」

――インターネットをはじめとするIT分野では、驚くスピードで技術革新が進んでいます。御社の関わる分野でも、要求される技術が変わっていくのでしょうか。

 「ある日突然すべてが変わるということはありません、徐々に変化は見られます。社内でも、先々必要とされる分野についての議論は常に出ています。また、これは一例ですが、ビジネスパートナーであるNTTデータや日本IBMが常に先端技術をキャッチしていて、彼らが積極的に取り組む新たなプロジェクトに1人でも2人でも人材を出させてもらい、高い要求や水準に応えつつフォーカスとしても新たな流れを常にキャッチアップする。こういうサイクルを常に構築しています」

 「社内でも情報を共有する体制を作り、フットワークの軽さで営業担当が常に新たなプロジェクトに食い込めるように働きかけています。常に新たな流れや技術を学んで備え、持っている技術・知見への社会的需要が高まった段階でスムーズに業務に入っていける体制作りをしています」(2)へつづく

提供:モーニングスター社

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