<飛翔期待のお宝株>復活再エネ関連、コスト高にも強いテスHDに注目
2022/4/20 19:56
昨年は「再エネバブル」とうたわれるほどに再生可能エネルギー株がもてはやされる相場の中で、レノバ<9519.T>やイーレックス<9517.T>、ウエストホールディングス<1407.T>などが値を飛ばした。これらは昨冬あたりから長い調整を強いられている。しかし、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油や天然ガスの価格高騰が、これらの復調の契機となった。今回は企業向けに再エネ発電所のEPC(設計・調達・施工)を展開するテスホールディングス<5074.T>に注目したい。
―太陽光導入の需要旺盛―
再エネ発電所のEPCや売電事業を手掛けるテスHD。同社によれば、足元の電気料金の高騰を受けて企業が太陽光発電を導入する機運が高まっているという。さらに、コスト削減につながる省エネ技術の需要が旺盛だ。原油が高止まりするほど、事業環境にはプラスに働くもようだ。
同社の評価ポイントは、太陽光パネルをはじめとする資材価格が上昇している状況でも、業績への悪影響が限定的なことだ。長期購入によるコストの抑制に加え、足の短い案件が多く、市況変動に強いEPCの事業構造が強みを発揮している。電力仕入れ価格の上昇はあるものの、売電事業のウエートは低く、相対的に逆風が小さい。
―脱炭素で存在感―
今6月期上期の連結業績は、営業利益が41.6億円(前年同期比67%増)、純利益が24.0億円(同96%増)となった。通期計画に対する進ちょく率は純利益で96%と高い。上方修正に踏み切らなかったが、上ブレの期待は大きい。
株価は昨年11月16日の高値2890円から今年2月24日の安値1144円まで調整した後、足元では1500円前後で推移している。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、投資先の脱炭素への準備状況を考慮した指標に基づく日本株の運用を始めたばかり。企業が脱炭素を迫られる中で同社の存在感が増し、株価水準の訂正が起こるのは遠くないだろう。中期で2000円、長期では3000円を目指す展開を期待したい。
提供:モーニングスター社
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