<新興国eye>トルコ4月CPI、市場予想上回る前年比69.97%上昇

新興国

2022/5/10 11:08

 トルコ統計局が5日発表した4月CPI(消費者物価指数、03年=100)は前年比69.97%上昇と、3月の同61.14%上昇や2月の54.44%上昇、1月の48.69%上昇を大幅に上回り、02年2月(73.08%上昇)以来20年2カ月ぶりの高い伸びとなった。市場予想の同68%上昇に対しても上回った。

 エネルギー価格の高騰や通貨トルコリラの下落に加え、最近ではロシアによるウクライナ軍事侵攻の開始(2月24日)と、それに伴う西側諸国の対ロ経済制裁の影響により、トルコのインフレ率が急加速している。

 同国のCPI伸び率はコロナ禍の悪影響が強まった20年の5月はサプライチェーン(部品供給網)の寸断により、前年比11.39%上昇、6月も同12.62%上昇と、2カ月連続で加速。その後、コロナ禍が一服し、サプライチェーンが正常化したことを受け、7月は同11.76%上昇に鈍化したが、11月(同14.03%上昇)以降、伸びは再び加速傾向にある。今回の4月CPIは21年7月(同18.95%上昇)以降、11カ月連続の加速となった。

 前月比は7.25%上昇と、3月の5.46%上昇に続いて、2カ月連続で伸びが加速した。

 また、全体指数から値動きの激しい食品やエネルギーなどを除いたコアCPI(グループC)も前年比52.37%上昇と、3月の48.39%上昇や2月の44.05%上昇、1月の39.45%上昇を大幅に上回り、6カ月連続で伸びが加速した。

 トルコ中銀は4月28日に発表した最新の四半期インフレ報告書で、インフレ率は6月までに70%上昇でピークを迎えると予想。その上で、22年末時点のインフレ見通しを前回1月予想時点の23.2%上昇から42.8%上昇、23年末時点の見通しも8.2%上昇から12.9%上昇、24年末時点も物価目標の5%上昇から8.2%上昇と、いずれも前回予想を大幅に引き上げた。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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