<新興国eye>前週のブラジル株、追加利上げ懸念後退などを好感し続伸=BRICs市況

新興国

2022/5/23 10:01

 前週(16-20日)のブラジル株式市場は20日のボベスパ指数が前日比1.39%高の10万8487.88、週間ベースでは13日終値比1.46%高となり、続伸した。

 週明け16日の指数は買い優勢で始まり、17日まで5連騰した。

 16日は、ブラジル中銀が政策金利の安定が好ましいとの考えを示したことを受け、追加利上げ懸念が後退し、買い優勢となった。中銀は新興国の中で、ブラジルの利上げペースが速く、下期にインフレ抑制効果が見られると指摘している。

 17日は、コロナ禍の中国・上海がロックダウン(都市封鎖)を6月に解除する見通しを明らかにしたことや、国内企業の好決算が支援材料となり、買いが一段と強まった。

 18日は反落。インフレ加速による追加利上げ懸念で米国市場が急落したことが嫌気され、ブラジル市場でも売りが広がった。

 19日は反発し、週末20日も値を上げ、続伸した。

 19日は、TCU(連邦会計検査院)が政府によるブラジル中央電力の民営化計画を承認したことが好感され同社株が急伸、指数の上げを主導した。

 20日は、ブラジルの重要な貿易相手国である中国の人民銀行(中銀)が不動産市場の救済策として、新規住宅取得者に対する住宅ローン金利の下限金利を引き下げたことが好感され、買いが優勢となった。欧州市場が中国の利下げによる不動産市場対策を好感して上昇したため、ブラジル市場でも買い安心感が広がった。

 今週(23-27日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側諸国の対ロ追加制裁、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治動向、財政規律問題が注目される。主な経済指標の発表予定は23日の2月IBC-Br(経済活動指数)や24日の5月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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