<新興国eye>前週のロシアRTS指数、利下げとルーブル安で5週ぶり反落=BRICs市況
2022/5/30 11:38
前週(23-27日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の27日終値が前日比3.47%安の1133.94、前週比では20日終値比8.54%安となり、5週ぶりに反落した。
週明け23日の指数は反発して始まり、24日も値を上げ続伸。
23日は、ルーブル高と原油高を受け、買いが優勢となった。財務省はロシア国内の外為市場で十分な外貨の流動性を確保し、ルーブル相場の安定を図るため、輸出業者の外貨売却比率を80%から50%に引き下げた。ブレント原油先物も1バレル=113ドルを超えた。中国が6月に上海のロックダウン(都市封鎖)を全面解除する方針を決めたこともサポート材料となった。
24日は、原油先物価格が113.5ドルにまで値を伸ばしたことや、ルーブル高が引き続き株式相場を支援した。
25日は反落し、週末27日までは3営業日続落した。
25日は、ロシア中央銀行が臨時会合で政策金利を引き下げるという観測が出てルーブルが急反落、ロシア株売りにつながった。
26日、ロシア中銀が政策金利を3.00ポイント引き下げ11.00%としたほか、今後も利下げを継続する方針を示唆したため、ルーブル安が一段と進行し、指数は売り優勢となった。
27日は、ルーブル安に歯止めがかからなかったほか、イーコマース(電子商取引)最大手オゾンが四半期決算で大幅赤字となったことが嫌気され、指数の下げを主導した。
今週(5月30日-6月3日)のロシア市場は、引き続きロシアによるウクライナへの軍事侵攻や西側諸国の対ロ制裁による地政学リスク、原油・ガス相場などが焦点となる。このほか、原油価格に影響を与える1日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や2日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は1日の4月失業率と4月鉱工業生産、4月小売売上高など。モスクワ証券取引所は6月1日から空売りを解禁する。指数は1050-1250の値動きが予想される。
<関連銘柄>
WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、
野村原油<1699.T>
提供:モーニングスター社
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